のど自慢大会 in カエル池

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ここはカエル池。今日は「のど自慢大会」です。会場は満席で熱気ムンムン。舞台の

ソデには自慢の歌を聞かせようと、番号札を持った出場者たちが控えています。

司会者 :大変、長らくお待たせ致しました。只今より恒例の「のど自慢大会」を始め

      ます。本日の出演者はどんな美声を聞かせてくれるのでしょうか?

      それでは早速、一番さん、ど~ぞ。

ピョンタ:一番。大葉下村、アマガエルのピョンタです。早口言葉を歌にしました。

      「かえるぴょこぴょこ」を歌います。

      ♪かえるぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ 合わせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ

      ♪どじょうにょろにょろ三にょろにょろ 合わせてにょろにょろ六にょろにょろ

審査員 :カ~ン、カ~ン、カ~ン!鐘三つ、合格です。難しい歌詞をカマずに歌えたこと

      を評価します。リズムに乗ってすばらしかったですよ。

ピョンタ:毎日、お父さんと特訓してきたんだ。お父さん、やったぞ~。うれしいな。

司会者 :おめでとうございます。素敵な賞品を受け取ってください。次の方、ど~ぞ。

ケロン :二番。岩陰村、トノサマガエルのケロンです。筑波山麓合唱団を歌います。

      仲間がバックコーラスを担当してくれます。

      ♪筑波山麓男性合唱団 マウントツクバのフロッグコーラス 

          コンダクターはガマ蛙 ガマはガマでも四六のガマ 

       セカンドテナーはアマガエル ケロケケケケケケケケケロケロケロケロ 

           ベースはガマ蛙 グワグワグワグワ グワグワグワグワ ♪

審査員 :カ~ン!鐘ひとつです。

ケロン :アレ~、残念だな~。

審査員 :グワグワグワグワはワを小さくしてグヮグヮグヮグヮにするとキレイに聞こえ

      ますよ。バックコーラスもハーモニーが乱れてしまいましたね。

ケロン :練習が足りなかったのかな~。本番では上手く息を合わせられると思ったけ

      ど、甘かったな。もっと練習してきます。

司会者 :そうですね。また次回、挑戦してください。次の方、ど~ぞ。

ケロイチ:三番。川上村、カジカガエルのケロイチです。ケロニ、ケロサン、ケロヨンの

      4兄弟で輪唱をします。歌は「かえるのうた」です。

       ♪ かえるのうたが きこえてくるよ。クヮ クヮ クヮ クヮ、

          (かえるのうたが きこえてくるよ。クヮ クヮ クヮ クヮ)

         ケケケケ、ケケケケ、 クヮクヮクヮ。

          (ケケケケ、ケケケケ、 クヮクヮクヮ)♪

審査員 :カ~ン、カ~ン、カ~ン!鐘三つ、合格です。カジカさんたちの歌声はいつも

      本当にきれいですね。輪唱もピッタリと息が合って、とても良かったです。

ケロイチ:やったぞ~、みんな、ありがとう。僕たちは練習の成果が出せたね。

司会者 :おめでとうございます。素敵な賞品を受け取ってください。次の方、ど~ぞ。

ガマ子 :四番。泥沼村、ガマガエルのガマ子です。歌は「おたまじゃくしは蛙の子」、

      踊りも見てね。

        ♪おたまじゃくしは蛙の子  なまずの孫では ないわいな

           それがなにより証拠には  やがて手が出る 足が出る ♪

審査員 :カ~ン!カ~ン!鐘二つです。踊りで会場が盛り上がりましたね。

ガマ子 :鐘が二つって微妙ね。どうせなら三つにしてよ。踊りもバッチリだったでしょう?

審査員 :ガマ子さんは歌の選曲を間違えましたね。この歌はあなたの声には合わない

      と思いますよ。もっと可愛く歌って欲しかったな。でも踊りは良かったです。

      抱腹絶倒。会場は笑顔に包まれて、最高に盛り上がりました。

ガマ子 :歌はダメだったってことね。踊りで褒められたようだけど、抱腹絶倒って、

      ホメ言葉なの?笑顔で盛り上がったですって?私にはお腹を抱えて笑ってい

      るだけのように見えたわよ。これも何だか微妙よね。まっ、いいか。

司会者 :残念でしたね。練習して、また来てください。次の方、ど~ぞ。

かえる池の「のど自慢大会」を毎年楽しみにしているのは、出演者と観客だけではありま

せん。天上界に住む「カエル天国」の住人たちも楽しみにしているのです。

でも、何やら不満げな声が聞こえてきました。

住人A:歌の質がずいぶんと落ちているようだね。練習が足りないんじゃないのかな。

住人B:俺たちの頃は予選があったのに、今は誰でも出られるみたいだ。

住人A:参加者が減っているんだってね。質の低下はこの辺が原因かもしれないよ。

住人B:この間、天国に来た新入りの話では住環境がどんどん悪くなっているらしいよ。

     このままだと、子孫の数がどんどん減ってしまいそうで、心配だね。

住人A:昔のような質の高い歌声を聞くには、まず、カエル池の住環境を整備しないと

     いけないのか。こりゃ、簡単なことじゃないよな。

     人間たち、何とかしてくれ~!

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