言うは易く、行うは難し「サルコペニア肥満症対策」

サルコペニア

日本テレビ「世界一受けたい授業」より

 

永 : 美井さん、先日、電車の中刷り広告に「メタボより恐い、サルコペニア肥満症」と書かれ
    ていました。以前、「サルコペニア症」というのは加齢や過度の安静に伴う筋肉量低下
    のことで、寝たきりになるリスクが高くなる。だから、そうならないように運動をしま
    しょうと教えてもらいましたよね。私はその時、サルコペニア症になれば体は痩せるの
    だと思ったので、なぜ、サルコペニア症と肥満が結びつくのか理解ができません。
    「サルコペニア肥満症」って、何ですか?

美井: 数年前からテレビや雑誌で取り上げられるようになりましたね。一言で言うと「筋肉量が
    減少し、代わりに脂肪が着いた肥満」というものです。

永 : もう少し、詳しく教えてください。

美井: 人間は生命を維持するためにエネルギーを消耗します。代表格が体の筋肉を動かすことで
    消費するエネルギーです。しかし、老化あるいは運動不足等によって、エネルギーを使
    わない状態が続くと、筋肉は細く衰えていきます。筋肉が衰えると、それを動かすエネ
    ルギーの消費量も少なくなります。ですから、今までと同じ食事をしていたら、エネル
    ギーとして使いきれずに、残りは体に脂肪として溜まります。溜まった脂肪が筋肉の衰
    えによってできた隙間部分に入り込んで蓄積する状態をサルコペニア肥満症と言います。
    メタボの肥満も脂肪の蓄積ですから、同じ脂肪が要因ということで、「サルコペニア肥
    満症」と名付けたのじゃないかと思います。

永 : それでは、同じ要因なのに、なぜ「メタボより恐い」と言えるのですか?

美井: メタボの場合はメタボ体形と言われるように体形に出てきます。自分でもお腹が出てきた
    とか、体重が増加したとかで気付きますよね。だから「対策を考えなくちゃ」と思うの
    ですが、サルコペニア肥満では筋肉量が少なくなったところへ脂肪が入り込んできます
    ので、見た目では体形変化も体重変化もない場合が多く、自覚症状として捉えられない
    点が恐ろしいのです。自分がサルコペニア肥満になっていると気付いていない人が多い
    のです。40歳以上のうち4人に1人はサルコペニア肥満またはその予備軍とのデータもあ
    り、女性は高血圧のリスクが2.3倍、男女ともと糖尿病のリスクが19倍とのデータがあ
    ります。

永 : 自覚症状がないというのは、困ったものですね。どうすればいいのですか?

美井: サルコペニア肥満が症状として出やすいのが足です。つまずいたり、転びやすくなったら、
    体形に変化がなくても、これを疑う必要があります。なぜなら、太ももには筋肉がたく
    さん集まっているので、真っ先に衰えが顕れるのです。

永 : 健康診断などで、その兆候は掴めるのですか?

美井: MRI診断を受ければ筋肉と脂肪は違いますから直ぐにわかります。

永 : 病院に行かずに自分でチェックする方法はありますか?

美井: 一気に坂を登れなくなったり、靴下を立ったまま履けなくなったら要注意です。チェック
    する方法としては、いくつか報告されていて、まず、両手を広げて片足立ちし、バラン
    スを保ったまま立っていられる時間を測定する方法では、60秒未満はサルコペニア肥満
    の可能性が大です。60~80秒は予備軍。80秒以上は合格です。その他には、椅子にしっ
    かり腰掛けて、片足で、すんなりと体が上がればOKとか、自分の身長マイナス100cmが
    適正歩幅なので、これより少ない歩幅になっていたら要注意らしいですよ。
    一度、試してみてください。

永 : やってみますよ。筋肉量を減らさない、増やせば良いということなら、サルコペニア症対
    策のトレーニングと同じで良いのですね。

美井: 覚えていますか。対策ポイントは3つです。1番目は無酸素運動とも言われる瞬時に筋肉に
    負荷をかける「筋力トレーニング」です。太ももを上げる運動・スクワット・ストレッ
    チなどで下半身を強化します。これで筋肉量を増やすのです。2番目は有酸素運動と言わ
    れる、ゆるやかで継続的な運動です。例えばウォーキングやジョギングですね。減りにく
    い良質な筋肉にします。ただし、ウォーキングだけでは筋肉量を増やすことはできないの
    で、サルコペニア肥満対策の効果がないと言われています。だからこそ、筋肉に負荷をか
    ける筋トレとの併用が必要なのです。3番目は筋肉になりやすい必須アミノ酸を多く含む
    「タンパク質の摂取」です。特に必須アミノ酸の「ロイシン」の摂取は重要で、これを豊
    富に含むカジキマグロの料理が紹介されていました。まぐろ、カツオ、レバー、牛乳、植
    物性では大豆等を意識的に摂りましょう。それにビタミンやミネラル類それに適切な量の
    炭水化物も脂肪を燃焼させるのに必要です。タンパク質を食べても脂肪がつくことはあり
    ません。脂肪がつく元凶になるのは炭水化物と糖分の摂り過ぎなのです。だから、摂りす
    ぎないための「糖質制限食」は有効ですが、タンパク質を制限するダイエットは危険です。

永 : 私は毎日、ウォーキングしているので、運動としては足りていると思っていたのですが、
    やはりウォーキングだけでは不十分なのですね。確かに最近、歩きながらのつまずきが
    益々多くなったように思うのです。食事の見直しもしますが、まずはサルコペニア肥満
    度チェックから始めますよ。

美井: 筋肉量を増やすと熱中症にも強い体質になります。筋肉がある部位は80%が水分ですから、
    水分の貯蔵庫なのです。脂肪体質の人、高齢で筋肉量が少ない人は水分を貯め込むことが
    できないので、熱中症にかかり易いのです。

永 : サルコペニア肥満対策は熱中症対策でもあるのですね。

飽食の時代に生き、運動不足の人が多い現代は、誰もがサルコペニア肥満になりえるのです。
サルコペニア肥満症の対策は「筋肉の量と質を向上させる運動」と「筋肉を作るタンパク質を多
く摂る食事」なのです。
最近は頻繁に取り上げられていますので、認知は広まっていると思いますが、生活習慣に組み込
むのは「言うは易く、行うは難し」ですね。(実感!)

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