仲良し3人組の秘密基地

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落ち葉が地面を覆い尽くす頃になると、動物村の住民は冬支度に忙しくなります。でも、それは
大人たちの話。仲良し3人組を含め、村の子供たちにとっては思いのほか楽しい時期なのです。
コン太が村の広場を歩いていると、ススキが生い茂る原っぱで、なにやら動き回っているポン吉
を見つけました。

コン太: ポン吉!そこで、何をしているんだ?

ポン吉: 俺かい?秘密基地を作っているんだよ。

コン太: どこに?

ポン吉: どこって、ここだよ。

コン太: おいおい、丸見えだぞ。こんな広場の真ん中じゃ、秘密基地の「醍醐味」なんて味わえ
     ないじゃないか。それに、ここのススキは丈が短いよ。ねえ、これからミミも誘って
     河川敷に行かないか?

ポン吉: 何で?

コン太: 秘密基地を作るのに最適な場所があるんだよ。

ポン吉: 本当かい?だったら、急いでミミを呼んでくるよ。

コン太はカマとスコップそしてヒモを取りに家へ戻ったあと、ミミとポン吉と合流して河川敷に
向かいました。自分たちの背丈以上もある広いススキの原っぱを見てミミとポン吉は困惑した様
子です。

ミミ : えっ、ここに作るの?

ポン吉: ねえ、コン太、道がないよ。

コン太: いいから、いいから、俺について来いよ!

コン太がススキをかき分けながら歩き始め、ミミとポン吉はその後に続きました。3人が一列に並
んで歩くと道が簡単にできました。ポン吉は振り返りながら言いました。

ポン吉: なるほど、道が出来たね。

ミミ : こうやってみんなで歩くと道が出来るのね。私、初めて知ったわ。

コン太: 着いたぞ、ここだ!ホラ、あそこの木を見てごらん。太い木だけど、なぜか斜めに生え
     ているから、あれなら僕たちでもよじ登れるよね。うまい具合に太目の横枝が出てい
     るから、あそこを見張り台にするんだ。そして、その横にススキを使って、3人が入れ
     る広さの秘密基地を作るんだ。

ポン吉: 了解。ワクワクするな~。

ミミ : 細かい作業は私に任せて!

こうして仲良し3人組の秘密基地作りが始まりました。リーダーはコン太です。

コン太: いいかい?先ずは、3人が並んで座れるくらいの広さのススキを刈り取るんだ。そのま
     まだと、座ったときにお尻が痛いから、スコップで叩いて平らにするぞ。力仕事だけ
     ど頼むぞ。

ミミ : 分かったわ。大雪が降ったときにカマクラを作ったけど、あれと同じやり方ね。

ポン吉: ミミがススキを刈って、その後で俺が叩いて平らにすればいいんだな。任せてくれ。

コン太: その次は、みんなが座る部分の周りにあるススキで囲いと屋根を作るんだ。

ミミ : ススキを斜めに引っ張りながら、座る部分の真上で一箇所にくくりつければテントみた
     いになるから、囲いと屋根が一度にできちゃうわけね。全体をヒモでくくっていくの
     が難しそうだわ。お部屋の真ん中に棒がないと、ススキの先端をしっかりと結び付け
     られないんじゃないのかな?

コン太: 確かにそうだね。エ~ッと、何かいい方法はないかな?

ミミ : あそこにある細めの木が支柱に使えそうよ。あの木を真ん中にしてススキの先端をくく
     り付けていけば、何とかなるんじゃないの?

コン太: それがイイね。じゃあ、基地を作るのはあの場所に変更する。僕たちでも手が届く位置
     にススキの先端を縛りつければいいんだよね。

ポン吉: とにかく、やってみようよ。

悪戦苦闘しながら、3人組は全員の体がすっぽり入るススキの秘密基地を作り上げました。

コン太: できた。できた。俺たちの秘密基地だ。

ポン吉: ここなら「秘密の醍醐味」が味わえるね。すごいよ。

ミミ : 汗をかいたけど、面白かったわ。次は私専用の部屋も作りたいから手伝ってね。

コン太: ミミは相変わらず、おねだり上手だな。

基地の中は思った以上に快適です。基地の中でひと休みしたあとで、見張り台に登った3人は、仲
良く並んでおしゃべりを始めました。

ポン吉: 今度は、お弁当を持って来て、もっと基地を丈夫なものに補強しようよ。

コン太: そうだな。このままじゃ、強い風が吹いたら壊れそうだ。

ミミ : ねえ、聞いてもいいかな~。見張り台に登って、いったい何を見張るの?

コン太: 決まっているじゃないか、敵だよ。敵。だって、ここは基地なんだぜ。

ポン吉: 敵って、誰のこと?

コン太: 敵は敵だよ。敵は簡単には正体を見せないんだ。だから見張り台から、こうして見張る
     必要があるのさ。

ミミ : よくわかんないけど、敵が来るかも知れないから見張るのね。

コン太: 秘密基地を作ったときに使ったカマやスコップは、敵が来た時の武器になるんだ。残っ
     たヒモは捕虜を縛るのに使えるぞ。

見張り台に並んで、3人は暫く首を左右に振りながら真剣に見張りを続けました。そして、3人の
視線がたまたまバッチリと合った途端、みんなで一斉に大笑いを始めました。自分たちが考えて
いることがとても奇想天外だってことに気付いたんですね。
ここには敵なんか、いるはずがありませんよ。それにしても、相変わらず想像力が豊かで、冒険
心に富んだ動物村の仲良し3人組です。

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