地球のN極とS極は反転します

地磁気

 

方位磁石(コンパス)は地球の磁場に反応してNが北を指してSが南を指しますが、
この現象は地球上において永遠不変ではありません。今回は「磁気と磁場」につ
いて考えてみました。

1.地球に磁気がある理由とは?

  地球の内部には鉄・ニッケルなどの電気誘導性物質が高温で液体のようにな
  っている外核と呼ばれる部分があります。内部の熱による対流と地球の自転
  運動が加わることによって電圧が発生し、それが電気を起こす力となって電流
  が流れます。電流が流れると磁気が生じ、地球全体を覆う磁場が発生するの
  です。この仕組みをダイナモ理論といいます。北極や南極で美しいオーロラが
  見られるのは、磁場の存在があるからなのです。

2.これまでに磁極の反転があったという根拠はどこから?

  海底の古い岩石、特に噴火により飛び出した火山岩の中の鉄分は、冷えて固
  まる際に磁極の方向に向きを揃えるという性質があります。このため、これを調
  べることで地球磁石のN極とS極が、これまでに何百回となく入れ替わってきた
  ことがわかったのです。その反転周期は数万年~数百万年と定まっていません。
  原因は地球内部のちょっとした流れの変動によって外核構造に変化が生じ、磁
  極の反転が起きるようですが、詳細な解明はされていません。

3.地球は磁場で守られている

  地球誕生から46億年の歴史の中で、27億年前に磁場ができたことが、生命繁
  栄の礎となりました。現在の地球は上空6万km(静止衛星ひまわりは3万6千Km
  の高度)まで磁場で覆われています。地球はこの磁場により宇宙から注がれて
  いる宇宙線などの有害光線から守られているのです。特に生物はその進化の過
  程で、他の環境要素(大気、水、重力、太陽光など)と同じく、磁気にも適応して
  きたのであり、磁気は生物にとって大切な地球環境の1つです。計測器を持たな
  い鳥や鯨そして大型魚たちの地球規模での移動や回遊を助けているのはこの磁
  気なのです。米航空宇宙局(NASA)は「かつて火星にも大気があったが、磁気
  力が弱く、太陽風により大気がはぎ取られた」と発表しています。

4.今、地球の磁気力は弱まっており、磁極は反転に向かっている

  専門家の調査によると、磁極の反転現象は一瞬にして起きるわけではなく、現在
  の北向きの磁気がだんだん弱くなり、その強さがゼロになった不安定な状況を経て、
  ゆっくりと今度は南向きの磁場ができます。現在の磁場環境は78万年前に始まっ
  たものですが、それが今、急激に弱まっているのです。
  欧州宇宙機関(ESA)が2013年11月に打ち上げた人工衛星「SMARM」が送ってき
  た最初のデータによると、地球の磁場は「10年で約5%」というスピードで弱まって
  いると言います。これは、それまで予測されていた「100年で5%」をかなり上回る
  早さであり、地球の磁極の反転が約2000年後という従来の予測よりもかなり早く
  起きるかもしれないことを示唆しています。それでも反転には1000年近くはかかる
  と見られています。

5.磁気力が消滅したらどうなる

  磁気がゼロになると有害な太陽風や宇宙線にさらされる無防備な状態が発生し、
  地軸の揺らぎや地殻変動が誘発され、火山活動、地震、干ばつ、豪雨が懸念さ
  れます。当然ながら、電力網と通信ネットワークは大変なことになります。
  そして、鳥や魚たちの行動にも大きなダメージを与えるでしょう。

6.磁気の反転が与える人類への影響

  恐竜は2億年前に誕生し、その後1億5千万年もの間繁栄しました。そして650
  万年前に最初の猿人が誕生し、20万年前にホモ・サピエンスが出現しています。
  今の磁場の環境は78万年前と推測されていますから、恐竜・猿人などの生物
  はすでにその進化の過程で何回もこの磁場の反転を経験しているのです。
  このため、生命にはそれほど影響はないという説もあります。しかし、人類にと
  っては未体験です。宇宙線に無防備にさらされる状態が発生すれば、地上で繁
  栄している生物にとっては大打撃となることは推察できます。
  現在、ブラジルやアルゼンチンには極端に磁場が弱い場所があり、そこでは皮
  膚ガンの発症や染色体の破壊、それに免疫機能の低下による重大疾患が発
  生しているとの報告があります。

7.今後の研究動向

  今年の3月16日に、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2016年度打ち上
  げ予定の水星磁気圏探査機「MMO」の本体を報道機関に公開しました。
  ESAの探査機とともに観測し、惑星の成り立ちの解明を目指します。JAXAの早
  川教授は「水星探査は地球の成り立ちの理解にもつながる」と話しています。
  この探査成果の発表が楽しみです。

人類がいまだ経験したことのない宇宙からの磁気嵐の影響や、磁極の反転による
人類への影響への対応策は、現在直面している放射線被爆以上に解決困難な課
題になると思います。未来の人類はどのような英知でこの問題を切り抜けるのでし
ょうか?

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