テニス観戦で「どんなもんじゃ」

ナイスキャッチ

 

9月下旬のことです。今年で32回目を迎える女子のプロテニス大会「東レパンパシフック
・オープンテニス」の観戦に訪れた老夫婦が、ゆりかもめの「有明テニスの森」駅で下車
して、会場に向かって歩いていました。

妻: この大会には今回も世界ランキングでトップ10以内の選手が半数も参加しているよ
   うね。かつて優勝した日本人選手はシングルスでは伊達公子選手、ダブルスでは
   杉山愛選手だけだったと思うから、若手の日本選手には一段と頑張って欲しいな。

夫: 毎年、私たちは3回戦以降を観戦してきたけど、今年は初めて1回戦の観戦だね。
   日本選手の有望株が登場する試合が見られるのが楽しみだ。

会場に到着した二人はシングルス本選の一回戦が行われているセンターコートの会場
に入り、自由席のうちテニスコートをコーナーから見下ろす座席に着き、観戦を始めまし
た。

夫: ウクライナのボンダレンコ選手と日本の日比野選手の試合だね。

妻: 日本人選手がランキング上位の外国選手を破る場面を目撃したいけど、どうかな?

暫くの間は、時折ペットボトルのお茶を飲みながら、ゆったりと観戦していた夫でしたが・・・

夫: ここは落としてはいけないポイントだ!逆クロスのショットで攻めろ!

妻: コーチは要らないから。

夫: ・・・・・

夫: よし、ナイスショット。そのガッツポーズが出れば勝てるぞ。

妻: 大きな声を出さないでよ。周りに迷惑。恥ずかしい・・・

夫: 大きな声なんて出していないよ~

妻: 全く、気付いていないんだから・・・マイッタ、マイッタ。

応援虚しく、日比野選手は負けました。勝者のボンダレンコ選手は勝者インタビューの後
に、サインを書き入れた試合ボールを数球、観客席に向かって打ち込みます。これまで
何度も観戦している老夫婦ですが、座席の近くに勝者のサインボールが飛んで来たこと
は一度もありません。それでも毎年立ち上がって、両手を振って「こっち、こっち!」とアピ
ールしてきたものです。

夫: サインボールはコートの四方に一球ずつ打ち込まれるのが常だから、今観戦してい
   る、この座席の位置ではまず飛んで来ることはないな。立ち上がるのはやめるか。

妻: そうね。座って見ていましょう。

夫: おい、ボンダレンコ選手がこっち方向に向かったぞ。あれ、構えた。俺、立つぞ!
   こっちに向かって打ち上げた。ボールがこっちにどんどん近づいてくる。取りあえず
   手を伸ばしてみるぞ。どうなってるんだ?どんどんこっちに向かって飛んで来るぞ。
   万が一ということもあるけど、もし自分の手に当たったら、片手キャッチでは手から
   ボールがはじけて飛び出してしまうな。そうだ、両手で構えるんだ。
   オォ~ッ、本当に目の前に迫ってきた~

妻: ナイスキャッチ!!

夫: 嘘だろ。つかんじゃったよ。ヤッター、ヤッター、ヤッターマン!ちょっと旧いか?

妻: 一直線にあなたに向かって飛んできたから、私は余計な手を出さなかったのよ。
   でも、あなたのことだから、慌ててボールを取りこぼすだろうと思って、私はこぼれ球
   を拾う構えに入っていたのよ。最近は寄る年波で運動神経がかなり鈍ってきてると
   読んでいたけど、見事なダイレクトキャッチだったわね。
   早速、記念写真を撮らなくっちゃ。

夫: 会場から拍手が起きたよ。ちょっと照れくさいけど、滅多にないことだから感激だな。
   こんなこともあるんだね。ボールがこちらに近づいてくる間は興奮したけど、なぜか
   ボールがスローモーションで飛んでくるように見えたよ。
   アドレナリンがバンバン出ていたのか、すごく集中したね。だからキャッチできたん
   だ。見たか!「どんなもんじゃ!」

妻: 思いもよらない出来事だし、超ラッキーだから、今日は有頂天になってもいいわよ。

次の試合はチェコのストリコバ選手対日本の大阪選手。大阪選手は主催者推薦で本選
に挑む17歳の若手です。

夫: 大阪選手のウォームアップ時の弾丸サーブは印象に残ったね。日本の女子であれ
   だけ早いサーブが打てる人はいないかもしれないよ。大きな武器だ。

妻: まだ、17歳よ。すごい有望株を見つけたわね。ストロークの安定性が課題かな?

夫: 今、判定に不服で「チャレンジ」をしたね。ボールの着地点を映し出している間、お客
   さんが拍手してるけど、なんでだろう?「はやしたてている」のじゃないよね。

妻: 選手と審判の戦いだったりして・・・

健闘及ばず大阪選手は敗退しましたが、彼女の将来性には期待が持てそうです。
二人はセンターコートの試合を最後まで観戦して、帰路につきました。

夫: 夕食を食べて帰ろう。ここに来たら月島で「もんじゃ焼き」が食べたいな。

妻: それなら、おいしいお店を紹介するからそこへ行きましょう。
   だけど、どうして「もんじゃ焼き」なの?

夫: フッフッフ、「どんなもんじゃ」の「もんじゃ」つながりさ。

妻: ガクッ!でも「もんじゃ焼き」は久し振りだから、付き合うわ。ナイスキャッチ祝いね。

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