チビグリ・シバグリ(柴栗)ビックリだ!

ブログ用 柴栗(栗の野生種) 20150927

 

10月中旬、散歩しながら「秋の味覚」について話が弾んでいる夫婦。今日は田んぼ道
を通り抜けて、冬になるとたくさんの鳥たちがやって来る雑木林を巡る散歩コースです。

夫 : 僕にとって秋を代表する食べ物といえば、「秋刀魚」「栗」「松茸」だな。

妻 : 他にも「梨」「柿」「ぶどう」「新米」「サツマイモ」「銀杏」があるわよ。

夫 : いっぱい出たね。稲の刈り入れが終わった今、散歩中に最も目に付く味覚と言
    えば、「栗」と「柿」だな。

妻 : アラ、あのおじいさんは林の中で、何をしているのかしら?探し物かな?

夫 : 木の実を拾っているんじゃないか?声をかけてみるね。
     こんにちは!ドングリ拾いですか?

老人: いやいや、これですよ、柴栗。山栗とも呼ばれますがね。

妻 : 柴栗ですか?随分と実が小さいな。こんなチビグリ、初めて見ましたよ。
    珍しい栗なのでしょう?

老人: 珍しくないですよ。この辺りにはいくらでもあります。私は子供の頃、おやつと
     して茹でて食べましたね。たまたま、ここら辺に実が転がっているのを目にし
     たので、少しでも大きいのはないか・・・と探していたのです。
     この柴栗は甘くて美味しいのですよ。一度食べたら、これこそが栗の本来の
     甘さ、美味しさなのだと言うことが分かります。店頭に並んでいる普通サイズ
     の栗より絶対に旨いです。でも、こんなに小さいから皮をむくのが大変だし、
     果肉もちょっぴりしかありません。そこで昔の人は栽培種として改良を重ねな
     がら、実を徐々に大きくして、現在の栗に育てたのだと思いますよ。

夫 : ということは、このチビグリは、現在私たちが食べている栗の原種ということで
    すか?

老人: その通りです。農耕生活が始まる前はドングリなどの木の実が大切な食料
     だったようですね。栗の栽培の歴史は古くて、約5千年以上前の縄文時代の
     居住地跡である青森県の三内丸山遺跡では、当時の人々が栗の木を植林し、
     安定的な食料としていた事が分かっています。出土したものが野生種よりも
     大粒の実である事から、当時の人々はすでに相当な技術を持っていて、肥
     料を施しながら栽培していたのではないかと推測されているのですよ。

妻 : 今、私たちの周りには加工食品や養殖したものが溢れているから、こんなに身近
    な場所に野生種と言われるものが、今でも自生しているとはビックリですよ。

夫 : 野生のままで食べ続けられているのは、海藻・貝類・魚など海のものが主体で、
    陸の食材は自生の山菜やキノコを除いては、ほとんどが人の手によって品種改
    良されているだろうからね。

妻 : 海のものでも養殖が増えているわよ。牡蠣にブリにヒラメがそうでしょ。

老人: 本来は野生のものを、私たちの体は欲しているのではないかと思いますがね。
     この柴栗は野生種食材の代表格のひとつかな?でも、柴栗は先ほどの理由で、
     市場に出ることはありません。だからこうして目の前に落ちているのを見た途端
     に、立ち止まって拾いたくなったのです。

夫 : そういうことでしたか。木の実で生命をつないで来たのは人間だけではないです
    よね。熊やイノシシやリスなどの動物たちにとっても大切な食料ですから。

妻 : 今は健康食品ブームで、サプリメントに頼りがちな人が多いけど、人類がこれまで
    何を食べて生き残ってきたかを考えると、もっと自然界にある食材を見直すべきな
    のかもしれませんね。

老人: 人間は長きに渡って柴栗やその他の木の実を主食として食べてきたので、今で
     も、それらを消化し、栄養素に変換する遺伝子を体に持っているはずなのです。
     だから、こうした野生種のものを食べると、体は免疫力など本来の力が引き出さ
     れてパワーアップするのかなと思うのです。
     私はこの小さな一粒の中に生命力の源が凝縮されて入っている気がするのです
     よ。ちょっとオーバーな表現ですが。

夫 : いえいえ、ちっともオーバーじゃありませんよ。そのお考えを僕は理解できます。

老人: ところで、柿にも野生種が存在していますから、是非、探してみてくださいね。
     柿の場合は、小さくて渋いのが野生種といわれています。夫 :これぞ、柿の野
     生種というものを探してみようかな?散歩の楽しみがまたひとつ増えました。
     いろいろと教えていただいて、ありがとうございました。さようなら。

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

妻 : 何度も歩いている林なのに、どうしてこれまで「柴栗」に気付かなかったのかしら。

夫 : 多分、イガグリがたくさん落ちているのを見たことはあったのだけど、それがこんな
    に小さい実だってことには気付かなかったのだよ。見過ごしちゃったのだな。
    まして、それが野生種の「柴栗」というものだったなんて、本当にビックリだね。
    あのおじいさんに出会えて良かったよ。やはり、昔のことを知っている人の話は
    聴いておくものだね。

夫婦にとって、この老人との出会いは散歩の楽しみを、一段と膨らませるものとなりまし
た。これまでは花や鳥ばかりに目が向いていたのですが、木の実にも大きな関心を持つ
ようになったのです。これからは、花の写真集に加えて、木の実の写真集が追加されそ
うです。

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