動物村の ひまわり畑

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今夏の動物村はいつもと様子が違います。なんと、広大なひまわり畑ができたのです。
畑を埋め尽くすようにひまわりの花が咲き誇っています。青空のもと、長老の発案によ
り子ども対象のイベントが開催されることになり、村の子たちがたくさん集まっています。

村長 : みんな、3人一組で並んだかい?これから君たちは葉っぱで目隠しをして、前
     の子どもの肩に手を置き、ひまわり畑の真ん中にある小さな円形広場まで歩
     いて行くんだ。そこから競技を開始するよ。競技の内容はこれから長老が説明
     してくれるから、よく聞いてください。

長老 : では、説明する。先ず、文字が書かれたひまわりの葉を見つけるんじゃ。書か
     れた文字は5つ。集めた5つの文字を繋げると一つの言葉になるぞ。違う文字
     が書かれた5枚の葉が見つかったら、その葉を村長に渡し、出来上がった言葉
     を村長に伝えてくれ。早いもの勝ちじゃ。上位3組が決まった所で競技終了と
     する。 尚、書かれている文字は5つだけじゃが、同じ字を書いた葉っぱがいっ
     ぱいある。同じ字の葉っぱをもぎとらないようにチームの3人で確認しながら行
     動してほしい。もう一度言うぞ。同じ字の葉はもぎ取るなよ。質問はあるかい?

コン太: どうして畑の真ん中からスタートするの?

長老 : 今いる場所から始めると、みんなが同じ方向に向かって行くが、真ん中なら、
     どちらの方向に進むかを3人で相談して決めることになる。

ポン吉: 目隠しする理由はなあに?

長老 : 競技開始までの条件が、全員平等になるようにするためじゃ。

ミミ : 字が書いてある葉っぱは、どの位の高さにあるの?

長老 : 君たちの手が届く高さよりも下側にあるから、心配はいらないぞ。

競技の説明の後、葉っぱで目隠しをした子どもたちは、各組の先頭についた大人に
手を引かれ、一列に並んでひまわり畑の真ん中に進んでいきました。
みんな、やる気満々です。

長老 : もう目隠しを外してもいいよ。ここはひまわり畑の真ん中じゃ。どの方向にも字
     が書かれた葉っぱがある。各組ごとに相談して、進む方向を決めるんじゃ。

エン坊: どの方向に行っても、字が書かれている葉っぱの数は同じなの?

長老 : よい質問だ。実は方向によって枚数が少し違う。字が書かれた葉っぱが多い
     のは東方面だ。だから、この方面に進んで集めると効率が良いぞ。
     その他の方向では枚数に差はない。ヒントはこれだけじゃ。村長はここで待っ
     ているぞ。進んで行った方向から逆戻りすればここに着く。
     それでは競技開始だ。始め~!!

各組とも、すぐには動き始めません。どちらが東の方向なのか相談しています。

エン坊: 困ったな。ひまわりの茎は折れやすいよな~。登って周りを見渡すわけにも
     いかないぞ。得意の木登り技を使うことができないのが残念だ。
     それに、こんなに背丈の高いひまわりに囲まれた状態では東がどっち方向な
     のか、わかんないよ。

ミミ : ポン吉さんとコン太さん、耳を貸して!小声で言うわよ。私、東がどちらの方向
     か分かるのよ。

ポン吉: 本当かい?僕にはさっぱりわからないよ。

ミミ : ホラ、花を見て。花は横向きで咲いているでしょ。しかもみんな同じ方向を向いて
     いる。ひまわりたちはみんな東の方向に向かって咲いているのよ。
     これで分かったわね。

コン太: 嘘だろう。ひまわりの花って太陽に向かって咲いていると聞いているよ。太陽の
     置によって、花の向きは変わるんじゃないのかい。

ミミ : それが違うのよ。開花する前は太陽の動きを追いかけて首を振りまわすけど、
    日当たりのいい場所のひまわりは、花を咲かせた後では東を向いて動かないの
    よ。私、昨日、本で読んだばかりなの。えらいでしょう。
    これで他の組より断然有利ね。

ポン吉: どうして花が開いた後は東を向いてじっとしているの?

ミミ : お父さんに聞いたら、「東を向いているのは朝日を受けて、花に溜まった夜露を
    乾かし、花が痛まないようにするためじゃないか」って教えてくれたわ。

コン太: 今の話を聞くとミミの話は信用できるぞ。こっちが東だな。他の組に見つから
     ないように花の向きを見ながら進もうぜ。

ポン吉: 強力なライバルはエン坊のいる組だ。なんせ、エン坊の行動力はすごいから
     な。でも東の方向がわからなければ簡単には集められないはずだ。

コン太: とにかくエン坊には見つからないように東方面に行こうぜ。

ミミ : 私たちの進む方向を他の組に気付かれないようにしなくっちゃ。

仲良し3人組は他の組の様子を伺いながらかがみこみ、ゆっくりと後ずさりを始めまし
た。今ならエン坊も同じ組のメンバーと夢中で相談しています。ひまわりの茎の間に
身を沈めた3人組は最初はソロソロと花が揺れないように進み、他の組からかなり離
れたことを確認すると、葉っぱを一枚一枚裏返して文字を探し始めました。

ミミ : 見つけた!「か」の字だわ。この葉っぱをもぎるね。次に「か」を見つけても、
    それは無視するのよ。

コン太: 了解。アッ、僕も見つけた。「な」の字だ。これはもぎってもいいよな。やはり、
     東方面にはいっぱいあるんだ。順調、順調。

ポン吉: 僕も字は見つけたけど、「か」と「な」だ。これじゃ駄目だよな。オッ、見つけた、
     「ち」の字だ。もぎるよ。ヤッタ~!

ミミ : 私の情報は正しかったわね。どんどん見つかっているから、これなら一番乗り
    は間違いないわ。どんどん探すわよ!あと二つね。

コン太: また、見つけたよ。「ま」の字だ。あと一つだぞ。よし見つけた「た」の字だ。

ポン吉: 葉を並べてみよう。「な」「か」「ま」「た」「ち」だ。出来た!

ミミ : 早く後戻りして村長さんのいる円形広場に走って行きましょう。きっと一番よ。

そうです。ミミが言った通り、仲良し3人組が一番でした。二番になったエン坊は悔し
さをグッと堪えて、優勝した3人組を笑顔で祝福しました。実はエン坊、途中で大好
物のひまわりのタネを食べたくなり、葉っぱをさがすことに集中できなかったのです。
食べ盛り、育ち盛りですからね。そんな子どもたちの気持ちを推し量った村長さんか
ら、競技後には参加者全員にひまわりのタネがプレゼントされたのです。
もちろん、みんな大喜びでした。

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