白黒画像のカラー化

新しいファイル

 カラーで復元された「坂本龍馬」
       (サンメディア社HPより)

数年前から江戸末期の写真や明治・大正時代の白黒の画像や動画がカラー化された
ものを、お茶の間で目にする機会が増えました。初めのうちは「アレッ、カラーだ!」と
驚いていただけでしたが、最近では「どういう技術を使っているのだろう?」と気になり
始めた永さん。散歩途中で、写真やビデオの編集に詳しい美井さんに出会いました。

永 : 美井さん、こんにちは!教えて欲しいことがあるんですが、よろしいですか?
    先日、カメラ店に行ったら、店内に「昔の白黒写真をカラー写真で蘇らせます」と
    いう広告が出ていたんですよ。どんな技術を使っているのか、ご存知ですか?
    特別な変換ソフトウエアでも開発されたのかな。

美井: 私も明治・大正時代の人々の暮らしぶりを、カラー化された映像で見て、素晴ら
     しい出来栄えに驚いたことがありますよ。最近では、「戦後70年・一番電車が
     走った」というNHKドラマの中で、原子爆弾投下によって焦土と化した広島の
     街なかを走る電車の当時の映像を見ました。短い区間とはいえ、被ばく3日
     後には早くも電車を走らせた関係者たちのご苦労と熱意に心を動かされつつ、
     それがカラー映像だったことに驚いたのです。
     当時は白黒映像の時代でしたから何らかの技術を使ってカラー化したのだと
     思いました。そこで、「白黒画像のカラー化」に関する現在の技術について調
     べてみたんですよ。当初、私は最新のコンピューター技術を駆使して、白黒の
     濃淡や明暗を解析したうえで、色の三原色表に照らし合わせながら本来の色
     を確定していると思ったんですが、どうやら違うようです。
     乱暴な言い方ですが、原版の白黒写真に手彩色すなわち塗り絵をしたような
     感じですかね。もちろん、時代考証を重ねて、当時の色に少しでも近づくことに
     配慮されてはいるでしょうけど。

永 : エッ、そうなんですか?それだと、白黒画像を実際の元画像通りの色に変換す
    る技術はまだ確立できてはいないように聞こえますね。

美井: カラー化する技術で先端を走っているサンメディア社のホームページには、「当
     社ではカラー印刷のもとになっているカラーチャートをモノクロにして、そこから
     色を再現する方法を考案しました。改良を重ねていくうち、モノクロからカラー化
     のマニュアルができました」と記載されています。
     この説明を読んだ時、私は「自分たちはこうした技術を使ってカラー化している
     ので、決して適当に着色しているわけではありませんよ」と言いたいのだな・・・
     と感じました。

永 : その方法でのカラーの出方はどんなものなんでしょう?

美井: 確かに、この会社では膨大なカラーチャートを白黒化して、そのデータを積み上
     げて、そこから色を割り出しています。この色データの裏付けがあるから、かな
     り現実に近い色を出すことに成功しているとは思いますね。

永 : なぜ、今のコンピューター技術をもってしても、白黒画像を解析して色を確定する
    ことができないのですか?

美井: それは「白黒画像や映像には明るさ情報はあるが、色の情報はない」からです。
     カラー写真では色情報である、赤、緑、青の3色で画像化しますが、白黒画像
     は明暗という明るさ情報で画像化しているんですね。

永 : それにしても、現状でのカラー写真への復元が白黒写真に色を重ねたものだとは
     思わなかったな。

美井: 今のところは、この方法でしか白黒画像をカラー化できないようですよ。
     でも、将来、明るさ情報を色情報に変換できる方法が見つかれば、塗り絵では
     ない白黒画像のカラー化が可能になるでしょうね。

永 : 光の3原則で考えると、色を重ねるほど白くなりますね。でも色の3原則では色を 
    重ねるほど黒くなる。すなわち暗く汚くなりますね。これを考えると、白黒画像に
    色を塗ったものは原色より色合いが劣ることになりませんか?

美井: 確かに、私がこれまで見てきた画像や映像も、現在のカメラで写した画像よりか
     なり「セピア色っぽさが残っているな!」という印象があります。
     もしかすると、当時の時代感を出すために意識的にやっているのかも知れませ
     んけどね。そこは分かりません。
     でも真面目な話、白黒画像から直接カラー化する技術が開発されれば、本当
     に素晴らしいことですよね。僕はとても期待しているんですよ。

永 : もともと被写体自体が多様なカラーを持っていて、それを写しているんだから、白
    黒の画像の背景には目には見えないけれど、色の集合体があることは事実なん
    ですよね。だから期待したいですね。でも、本当に明るさの情報を色の情報に変
    換できるのかな~。もっと違う発想が必要かも知れないですね。

美井: いずれにしても面白いテーマですよね。私はなぜか今、白黒の背景には、多彩
     な色が「見えぬけれどもあるんだよ。見えぬものでもあるんだよ」って思いまし
     たよ。

永 : ハッハッハ。金子みすずの「星とたんぽぽ」ですね。そうきましたか。では、また!

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