御開帳 間に合った!

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7年に一度、善光寺で行われる「前立本尊御開帳」の賑わいは各メディアで取り上げら
れました。お互いにお参りしたい気持ちを口には出せず、テレビニュースを見ながら手
を合わせていた茨城県に住む老夫婦のもとに、ある日、宅急便が届いたのです。

妻: 姪のMちゃんからよ。きっと、長野・善光寺の御開帳に参詣したお土産ね。
   アラ、白い牛のお守りだわ。嬉しいじゃないの。旅行に出かける前に電話で、
   「いいわね~。羨ましい!」って言ったから、気を利かせてくれたのよ。
   本当にあの娘はいい子だわ。

夫: 御開帳もあと3日で終わっちゃうんだよね。僕たちの年齢を考えると7年後なんて
   どうなっているか判らないから、行けるものなら行っておきたいものだな。

妻: 思い切って、飯田市の元善光寺にお参りするっていうのはどうかしら?

夫: 元善光寺って何?善光寺は長野市のあの善光寺だけじゃないのかい?

妻: 違うわよ。善光寺は全国に二百ヶ所以上もあるらしいわ。この内、今回御開帳さ
   れるのが6ヶ所。長野市の善光寺、長野県飯田市の元善光寺、山梨県甲府市の
   甲斐善光寺、愛知県稲沢市の祖父江善光寺東海別院、岐阜県関市の関善光寺、
   岐阜県岐阜市の岐阜善光寺さんなの。

夫: 正直なところ、全国にそんなに善光寺があるなんて知らなかったよ。だったら、甲
   斐善光寺のほうが近いんじゃないの。元善光寺に行こうという理由は何?

妻: 長野・善光寺のご本尊が一番最初に安置されていたのが元善光寺だからよ。長
   野市の善光寺と飯田市の元善光寺の両方をお参りしなければ片参りだと、昔か
   ら言われているそうなの。
   だから、私たちが今回、元善光寺に行き、Mちゃんに元善光寺のお守りを送って
   あげたら、彼女は二つの善光寺にご縁ができるわ。それに、私の両親が生前、
   「善光寺さんに一度はお参りしたい」と言っていたことをMちゃんに話したら、彼女
   にとっては祖父母にあたる二人の写真を長野の善光寺に持参してくれたそうよ。
   だから、私も両親の写真を携えて元善光寺に行きたいわ。

夫: 泣けるね。その手の話には弱いんだ。行くなら今しかないね。よし行くぞ!

翌日の早朝に自宅を出発した二人は中央自動車道を車で走り、飯田ICを下りて元善
光寺にやって来ました。

夫: 御開帳は明日までだ。滑り込みセーフで間に合ったね。これも決断を後押ししてく
   れたMちゃんのお蔭だ。

妻: 元善光寺に来たのは初めてね。ここから、もう回向柱(えこうばしら)が見えている
   わ。回りにたくさんの人がいる。

夫: 先ずは本堂に行こう。回向柱に触るのはその後だ。そのうち空いてくるよ。

二人は本堂で前立御本尊を拝んだあと、人の流れに沿って進むと、そこには新宝物殿
と平和殿がありました。平和殿では西国三十三ヶ所観音霊場めぐりができるというので、
33枚のお賽銭を手に握り、一番札所である和歌山県那智の青岸渡寺から巡礼を始め
ました。

夫: 札所のお砂踏みをしながら巡礼できるんだね。

妻: 三十三番目の札所は私たちがよく知っている岐阜県の谷汲山華厳寺で、満願寺と
   も言われていることは承知しているわよね。

夫: もちろんだよ。10回近く、お参りしたからね。満願の湯という日帰り温泉もあるよ。

妻: あなたは本当に温泉好きね。華厳寺は三十三ヶ所巡礼の結願寺ではあるけど、昔
   から三十三ヶ所観音巡礼を終えたことを、この元善光寺に報告に来る風習がある
   のよ。だから、ここで三十三ヶ所巡りをした私たちは改めて満願の報告をしに、もう
   一度本堂に行くべきね。

夫: じゃあ、そうしよう。その次は戒壇めぐりだよね。

本堂右手前で「おびんずるさま」を撫でたあと、戒壇めぐりの入口を降りていきました。

夫: 真っ暗闇の中、手すりだけを頼りに前進する「戒壇めぐり」はスリリングだったね。
   しっかりと「極楽往生 開運の鍵」を握ったときは嬉しいと同時に、なぜかホッとし
   たよ。

妻: 両親の写真をしっかりと持って鍵を触ったわ。さてと、回向柱の人混みは減ったか
   な?

二人は御開帳期間のみに立てられる回向柱のそばにやってきました。「前立本尊」の
右手に結えられた金色の紐が途中から五色の「善の綱」となり、回向柱に結ばれてい
ます。この柱に触ることによって善光寺如来と直接ご縁が結ばれるということで、老若
男女が心を込めて撫でさすっています。

夫: だいぶ人が少なくなって、今は回向柱をじっくりと触ることができるね。ありがたい。

妻: (写真を取り出し)お父さん、お母さん、一緒に回向柱に触れましょうね。

夫: 間に合ってよかったね。Mちゃんのお蔭だ。お父さん、お母さんの写真を胸に写真
   を撮るぞ。構えて!ハイ、パチリ。帰り道では両親の思い出話でもしながら帰ろうな。

妻: 機会を見つけて、今回行けなかった長野市の善光寺さんにもお参りしましょうよ。

夫: そうだね。でも、どうして善光寺は無宗派なのに、こんなに人気があるんだい?

妻: 宗派が生まれる前からあったから、無宗派なんだという話を聞いたことがあるわ。
   それだけ古くから信仰の対象になっていたということかしら?人気の理由はわか
   らないわ。それにしても御開帳が7年に一度なのは、なぜだと思う?

夫: わかんないよ。諏訪大社の御柱祭も確か7年に一度だったよな。あちらは神様で、
   こちらは仏様だし、なぜだろう?

妻: 実は7年目に一度というのが正しくて、善光寺は丑年と未年に御開帳されるの。
   偶然にも私とあなたの干支の年ね。ありがたいことよ。諏訪大社の方は寅年と
   申年よ。

夫: ホ~、そうなのか。相変わらず、知らないことだらけだということがよくわかったよ。

なにはともあれ、御開帳期間終了間際にギリギリでお参りできた老夫婦は願いが叶っ
て大満足。当然のことながら、地元の人に聞き込みをして、安くて泉質の良い立ち寄り
温泉を探し出し、のんびりとお湯に浸かったことを報告しておきます。

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