富士山、もう一つの顔

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 箱根大涌谷や口永良部島の噴火など火山が活動期に入った感のある日本列島。
所要で出かけた岐阜方面から車で帰宅途中の老夫婦は富士川SAの展望室で富士
山を眺めつつ、コーヒータイムを過ごしています。

夫: 火山の噴火が続いているけど、あの富士山は大丈夫なのかな~?ここから見る
   富士山はとても優雅だね。愛鷹山塊とつながって見えて、おおらかさを感じるよ。

妻: 雄大すぎて写真を撮るのに、どう切り取ったらいいのか悩んじゃうわ。

夫: 富士五湖巡りで見た富士山も良かったけど、太平洋側から富士山をじっくりと見た
   ことはないね。新幹線に乗った時に眺めた程度だ。今日は天気も良いし、時間に
   もゆとりがあるから、南側からの富士山を堪能してみようよ。

二人は富士ICで東名高速道路を下り、一般道を進みました。最初に立ち寄ったのは
愛鷹山登山道のある十里木高原です。

夫: 期待通りの眺望だね。この広場から見ると富士山が迫ってくるようだ。

妻: もっと近づいて、宝永噴火の跡がよく見える場所を見つけたいわ。

数枚の記念写真を撮ったあと、車を更に先へ進めた老夫婦は南富士エバーグリーン
ライン経由で富士山スカイラインに入り、水ヶ塚公園の広い駐車場に車を止めました。

夫: ウワ~ッ!すごいぞ。噴火でえぐれた様子がこんなにはっきりと見えるんだね。
   ちょっと怖いくらいだ。富士川SAで見た富士山とはまた違う、もう一つの顔をして
   いるよ。

妻: ネェ、私たちは富士山の2合目付近にいるのよね。今、噴火したらどうする?

夫: オイオイ、脅かすなよ。だけど、宝永の噴火から300年以上も経っているというの
   に、その名残りが妙に生々しくて、自然のエネルギーの強烈さがひしひしと伝わ
   ってくるな。

妻: それはそうと、この駐車場はとても広いわ。なぜ、こんなに広いのかしら?

夫: 観光の季節になるとマイカー規制があって、ここから5合目までのシャトルバスが
   出るんじゃなかったかな?

妻 :アッ、そうか!5合目まではバスで行けるんだったね。あそこの標識に腰切塚展
   望台まで5分って書いてあるわよ。こういう表示はこれまでの経験に照らし合わ
   せると約3倍はかかるはずだから、15分くらいだと思うけど、折角だから登ってみ
   ましょうよ。

夫: ここより更なる迫力の眺望が期待できるかもね。じゃあ、行ってみよう。

二人は腰切塚展望台への山道を登り始めました。

夫: コンクリートの駐車場にいた時には気付かなかったけど、山道に入ると溶岩の上を
   歩いていることを実感できるね。こんな場所でも時が経てば立派な樹木が育つ環境
   になるんだから、自然の回復力ってスゴイな。

妻: アッ、マイズルソウが咲いている。ツクバネソウもある。これはクワガタソウに似てい
   るけど、背丈が低いわね。違うのかな?家に帰って調べることにするわ。
   接写するのに時間がかかるから、あなた、先に行ってちょうだい。

腰切塚展望台で、二人はまたまた感動。

夫: ワァ~オ!いいぞ。登ってきて良かったね。説明板によると、ここは1496mだ。 

 
妻: 富士山の頂上に手が届きそう!って言ったらオーバーだけど、こんなに間近で頂上
   を見るのは初めてだわ。

夫: 僕は一度だけとはいえ、頂上まで登って、ご来光を拝んだことがあるよ。

妻: そういえば、弾丸ツアーで行ったのよね。私は体力に自信が無くて行かなかったけ
   ど。それにしても、ここは絶好のフォトスポットだわ。シャッターを押しすぎて、カメラ
   が壊れないかと心配になってきた。

夫: 今は雲がなくて視界良好だ。こんなに恵まれた写真撮影環境は滅多に無いから、
   心ゆくまで写してくれ。宝永噴火は1707年(宝永4年)で2週間ほど噴火が続いた
   そうだ。江戸の町も火山灰で大きな被害を受けたらしい。噴火口にできた山を宝
   永山と言うんだ。ここに書いてあるのを読んでいるだけだけどね。

妻: あれだけえぐられているんだから、火山灰の量は想像を絶するものだったでしょう
   ね。

夫: オヤ?あそこにお鉢巡りって書いてある。10分で回れるらしいから行ってみようよ。
   実は富士山のご来光を見るために頂上まで行ったけど、山頂のお鉢巡りは体力に
   自信がなくて断念したんだ。ここでお鉢めぐりの真似事をしたいな。

妻: ひと巡りすれば、新しい発見があるかもしれないわね。

こうして、二人は擬似お鉢めぐりのあと、再び展望台に戻ってきました。

夫: なにもない山道だったね。すぐ近くでウグイスが鳴いていたけど・・・
   アッ、左側から雲が湧いて来たよ。

妻: オ~、ヴェールをまとい始めたわね。シャッターチャンス到来。

宝永噴火の痕を残す景観を目の前にして、活動期の富士山の荒々しい面を実感した
二人は、その場から立ち去り難い気持ちが強く、しばらくの間、富士山の頂き近くにま
とわりつくように流れる雲を眺めていました。
しかし、自宅に着く時間が気になり始めたので、やむなく御殿場インターに向かって車
をスタートさせたのでした。

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