サルコペニア症(筋肉減弱症)を知ろう

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永 : 美井さん、相変わらず寒暖の差が激しいですが、足の骨折は順調に回復してい
    ますか?

美井: お陰で日常生活には支障がなくなりました。そういえば、私が入院した時に体
    験した「廃用症候群」について、以前、説明したことがありましたよね。
    それに似た症状の「サルコペニア症」という病名が最近頻繁に報道されている
    のをご存知ですか?

永 : 「廃用症候群」は年齢には関係なく、入院などによって過度に安静にしたり、あ
    まり身体を動かさないでいると、筋肉が衰えたり関節の動きが悪くなったり、最
    悪な場合には、寝たきりとなってしまう症状でしたね。
    サルコペニア症とは何ですか?

美井: 花のような名前ですが、れっきとした病名なのですよ。
    サルコペニア(Sarcopenia)とは、骨格筋・筋肉(Sarco)が減少(Penia)すること
    です。「加齢による筋肉量減少」 を意味する用語なのです。
    当初は骨格筋肉量の減少を定義としていましたが、徐々に筋力低下、機能低
    下も含まれるようになったようですね。

永 : 僕たち高齢者にとっては切実な話じゃないですか。筋肉量は加齢に伴って、どの
    くらい低下するのですか?

美井: 20歳の時を100とすると、一般に70歳で半分の50になるそうです。

永 : 半減ですか?そんなに減るとは意外ですね。

美井: もちろん、運動する量と質によって減り方には個人差がありますから、同年齢で
    も70に抑えられる人がいれば30まで低下してしまう人もいるようですよ。

永 : サルコペニア症だと診断される基準は何なのですか?

美井: 例えば、握力計器で男性30kg以下・女性20kg以下、筋肉量が男性7kg/平方メ
    ートル以下・女性5kg/平方メートル以下、歩行速度が0.8m/秒以下という基準が
    あるのだそうです。

永 : サルコペニア症になる原因は何なのですか?

美井: 4つが知られています。第一は狭義のサルコペニアで、加齢のみが原因の場合
    です。原発性サルコペニアと言われています。老化が原因で筋肉合成能力や代
     謝機能が低下する症状です。
    第二から第四は加齢以外が要因で、二次性サルコペニア症と言います。第二は
    入院患者に多く、主に運動不足が原因で筋肉量が減ることにより体重減少が生
     じる症状です。第三は適切な栄養管理抜きでのダイエットや偏食により、エネル
    ギーとタンパク質の摂取が不足する場合で、第四は感染症やガン等の疾患によ
    るものです。

永 : なるほど。それでは、低下した筋肉量を回復させるにはどうしたらいいのですか?

美井: 原因に見合った治療が必要になります。第一の高齢化の場合は、筋力トレーニ
    ングが有効です。第二の運動不足では必要以上の安静や食事制限を避けます。
    第三は意識した栄養管理です。栄養を考慮しないで筋力トレーニングをすると逆
     効果になり筋肉量がかえって減少することもあるようですね。第四の疾患に関連
    する場合は適切な栄養管理とリハビリの併用が大切だと言われています。

永 : サルコペニア症は高齢化が進む日本では大きな社会問題なんですね。僕も気を
    付けなくちゃ。予防法について教えていただけませんか?

美井: 先ずは体を十分に動かすことが予防の鍵です。例えば、片足立ちやスクワットが
     お勧めですね。買い物へ行く時もダラダラと歩くのではなく、大股の早歩きを心が
     けるといいです。筋肉量を増やす食事も大切ですね。

永 : 具体的にはどんな食事がいいのですか?

美井: 筋肉の主な組成はタンパク質だから、タンパク質を多く含む肉・魚・卵や大豆製品
    と牛乳・ヨーグルトなどの乳製品を欠かさず摂取することです。もうひとつ大切なこ
    とがあります。エネルギー不足の状態では摂取したタンパク質がエネルギー源と
    して 使われてしまうのです。だから、エネルギーを生み出す糖質、すなわちごは
    ん・パン・麺などの炭水化物も適度に食べる必要があるんです。

永 : 女性と男性とではどちらがサルコペニア症になりやすいのですか?

美井: 圧倒的に女性ですね。理由は美容のためだとか言って、偏った食事をしてタンパ
    ク質やカルシュウムなどの摂取が不足気味の人が多いからです。日本人の女性
     は世界一長寿ですが、健康な人の割合は決して誇れるものではないようですよ。

永 : サルコペニア症には自覚症状がありますか?

美井: つまずきやすくなったり、転びやすくなった時には要注意ですよ。筋肉量が減少し
    たり、筋力が低下することによって靭帯・腱・半月板などが炎症をおこし、膝など
    に痛みが出ることがあります。慢性の腰痛もサルコペニア症が原因である例がと
    ても多いそうです。

永 : そうした痛みをとる方法はありますか?

美井: サルコペニアによる痛みの特効薬は筋肉トレーニングです。ちょっと膝が痛い程
    度なら、しっかり歩くだけでも痛みを解消できます。筋肉を蓄え、減らさない「貯
    筋」のためには、活発な全身運動と栄養バランスの良い食事をすることです。

永 : これからは運動するのに良い季節になります。サルコペニア症の予防を意識した
    運動や食事を心がけたいと思います。またしても、いろいろと教わりましたね。

美井: 日本の男性はメタボリックシンドロームが怖い。そして、女性はサルコペニアや
     ロコモティブシンドローム(運動器機能低下症候群)が怖い、といったところで
     しょうか。

永 : ロコモティブシンドロームについてはノルディック・ウォーキングを紹介していただ
    いた時にお聞きしたから、よく覚えています。

美井: サルコペニア症になるのを予防することは、高齢期を楽しく過ごすことにつなが
    るので、常に意識して、快適な日常生活を長く続けられるようにお互い頑張りま
    しょう!

永 : そうですね。元気な老人でいるためには日々の積み重ねが大切ですから頑張り
    ますよ。

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