梅の木と動物村の仲良し3人組

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動物村のはずれに大きな梅の木がたくさん生えています。春の到来を告げるだけでは
なく、その熟した実は、ほんの短い期間ですが、動物たちにとって珍しい食べ物になっ
ています。今年も白・赤・ピンクの花をいっぱい咲かせ、周りには芳しい香りが漂ってい
ます。そこに仲良し3人組が集まっていました。

ミミ :アァ~、いい香り!私、この香りが大好きよ。満開に咲いてくれて嬉しいな。

ポン吉:今年の「梅の実落とし」は僕たちのグループが担当することに決まったん
      だってね。

コン太:ウン、そうらしいよ。僕たちがしっかりと役に立つんだってことを、大人たちに
     示す絶好のチャンスだ。猿のエン坊が上手に木の枝を揺すってくれるから、
     ひとつも残さずに収穫できるさ。

ミミ :そうね。エン坊がいるから心強いわ。話は変わるけど、疑問があるのよ。
     梅の花が咲いている時期は蜂さんを見かけないのに、どうして実ができる
     のかしら。

コン太:花の妖精たちに呼ばれた蜂たちが花粉を運んだ結果、実ができるんだと
     教えてもらったけど、蜂がいなければ実ができないはずだよね。
     確かに不思議だな。

ポン吉:僕にもわからないな。あとで長老に聞いてみようよ。

タイミイングよくやって来た長老を、3人組は呼び止めました。

ミミ :ネェ、長老。今、梅の花が満開だけど、蜂さんたちがいないわ。どうやって花粉が
     運ばれて梅の実ができるのか、教えてくださいな。

長老 :いいところに気がついたな。ここは梅林と言ってな、たくさんの梅の木がある
      じゃろ。よく見てごらん。色や大きさが違う花を咲かせた梅の木が並んでいる
      ことに気付かないかい?一ヶ所に密集して、いろんな種類の梅の木が生えて
      いることが大切なんじゃ。
      梅は自分とは違う種類の花粉と結ばれて実ができるのじゃが、その花粉は
      主に風が運んでくれるのさ。ここは昔、人間たちが住んでいた場所じゃ。
      しかし、ず~っと前にどこかへ行ってしまって、誰もいなくなったんじゃ。
      だから、わしらがこうして悠々と暮らせる場所になった。ま、言ってみれば、
      人間たちの置き土産である梅林がわしらの役に立っておるということじゃな。

ポン吉:風が花粉を運んでくれるんだ。花の妖精たちの音楽で蜂を呼ぶ必要はないん
      だね。

長老 :いや。君たちが気付いていないだけで、体の小さいハチたちはもう飛んでいるよ。
      ただ、この時期は蜂の数が少ないから、どの程度、貢献しているかはわからな
      いな。それに、鳥たちも飛んでいるぞ。ホラ、きれいな緑色の鳥が梅の花の中
      に頭を突っ込んでいるのが見えるかな?あれはメジロという鳥で、梅や椿の花
      が好きらしいな。鳥だって蜂と同じように花粉を体につけて動き回り、花粉を運
      ぶんじゃ。

コン太:ヘェ~、蜂だけでなく、風や鳥も花粉を運ぶのか。初めて知ったよ。

長老 :ところで、どうして君たちはここにいるのかな?

コン太:今年の「梅落とし」の当番になるらしいので、花付きの様子を見に来たんだ。

長老 :そうか、よろしく頼むぞ。ひとつ注意しておくが、梅の実が青いうちは決して食
     べてはならんぞ。種が十分に成長するまで鳥や動物に食べられるのを防ぐ
     ために、毒を持っているからな。
     種がしっかりと成長した時には実が熟して色が変わる。それが「もう食べても
     いいよ。食べたあとはフンと一緒に排泄して種を撒き散らしてくれ。」という合
     図なんだ。ただし、食べ過ぎてはイカン。絶対に忘れるなよ。

長老が立ち去ったあと、入れ替わりに猿のエン坊が目をこすりながら、近づいて来ます。

ミミ :アラ、泣いているのかしら?エン坊さんどうしたの?

エン坊:やあ、3人組も来ていたのか。別に泣いているんじゃないんだ。目が痒くてね。

ポン吉:そういえば、去年も目を真っ赤にして痒がっていたね。今年も始まったのかい?

エン坊:そうなんだ。この時期だけは、目ん玉を取り出して洗いたい気分だよ。今年は
     「梅の実落とし」の当番だって聞いたから、気になって来てみたんだ。
     花の数が多ければ梅の実もいっぱいできるだろうからね。3人組も様子を見に
     来たのかい?

コン太:ウン。ちょうど今、「僕たちのグループにはエン坊がいるから、ひとつ残らず落と
     せるね。」って、話していたところだよ。頼りにしているからな。

エン坊:木を揺するのは任せてくれ。この痒さも収穫の頃には収まっているはずだ。
      たくさんの花が咲いているから実もいっぱいできそうだね。楽しみだな~。

ミミ :チームワークで頑張りましょうよ。エン坊、早く痒みが収まるといいわね。

エン坊はひとしきり梅の花の様子を見たあと、目をこすりながら帰って行きました。
3人組も帰ろうとした、その時、少し離れた場所の土が盛り上がったと思ったら、
ポコポコと小山を作りながら何かが近づいて来ました。

ポン吉:何だ、何だ?土の盛り上がりが、ドンドンこっちに向かって来るぞ。

コン太:あれはモグラさんだよ。春が近づいたから活発に動くようになったんだね。

ミミ :ア~、ビックリした。アラ!顔を出したわよ。

モグラ:君たちの声が聞こえたから、ちょっとだけ顔を出してみたよ。何をしているの?

ポン吉:梅の花がどれくらい咲いているかを確認しがてら、香りを楽しんでいるんだよ。

モグラ:香り?クンクン、確かに匂う。だけど変な匂いだな。春が近づいて土の温度が
     上がってくると、土の中は素敵な香りが漂うんだよ。
     そっちの匂いの方が断然イイね。

コン太:梅の香りより土の香りの方がイイだなんて、変な奴だな。

ミミ :モグラさんはずっと土の中で生活しているから、香りの感じ方が私たちとは違う
     んじゃないのかしら。「変な奴だ。」なんて失礼よ。

ポン吉:アッ、アカネズミさんだ。今、モグラさんの掘った穴に入ったぞ。

モグラ:アイツは僕が掘った穴を勝手に利用する「チャッカリ屋」なんだ。
     ちょっと行って文句を言ってくるよ。じゃ~な。

ミミ :じゃ~ね。アラアラ、慌てて行っちゃたわ。私たちも帰りましょ。

数ヵ月後、梅の木にはどれくらいの梅の実が成るのでしょうか?
よく熟してから食べてね。

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