動物村のハロウィン

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動物村でも今日はハロウィン。お化けの扮装をするだけでも楽しいのに、その姿で各家庭を
訪問すれば、お菓子をもらえるのです。仲良し3人組も大張り切りで、工夫を凝らした格好
をして広場に集まってきました。

ミミ :フッフッフ、そこにいるのはポン吉さんとコン太さんでしょ。二人共、素敵な衣装
    を作ったのね。歩き方もサマになっているし、かなり怖いわ。

ポン吉:怖そうに見えるのが良いんだってさ。顔の部分はお母さんにヒントをもらった
    けど、この衣装全体は自分で考えたんだぞ。作ってくれたのはお母さんだけどね。

コン太:僕の顔も怖いだろう?僕は全部自分で考えたんだ。簡単に作れたよ。ミミの仮装は
    怒った顔のお姫様みたいで、少しも恐ろしくないじゃないか。

ミミ :私は女の子だから、どことなく可愛さを残したいのよ。でも、この黒い袋の中には
    強力な秘密兵器が入っているの。今は内緒だけどね。あっ、長老だ!長老、教えて
    くださいな。ハロウィンって何のお祭りなの?

長老 :おっ、3人組も頑張って仮装をしておるな。フクロウ博士に聞いた話では、人間た
    ちの世界では、この時期になるとご先祖様の魂がこの世に帰ってくるそうだ。
    だけど、その時に魔物も一緒にやって来て、生きているものの魂を抜き取ろうと
    するそうじゃ。そこで、魔物でさえも恐れるような怖い格好をして追い払うんじゃ
    な。これをお祭りにしたのがハロウィンだ。仮装をしたり、お菓子をもらえたりす
    るのなら動物村の子供たちもきっと喜ぶと思って、ここでも同じ祭りを始めたのじ
    ゃよ。

ポン吉:魔物って、どんな姿をしているの?どんなふうに怖いのかな~。

長老 :魔物はどんな姿にでもなれるから、本当の姿は誰も知らないのじゃ。

コン太:魂を取られたら、どうなっちゃうの?

長老 :だんだん難しい質問をするようになったのう。それだけ成長したということじゃな。
    簡単に言えば、魂がないと生きていけぬ。だから、魔物とは戦わなくてはならんの
    じゃ。
    さて、誰がどんな仮装をしてワシの家に来るか楽しみじゃわい。みんなを迎える準
    備を急ぐとするか。じゃあ、あとでな。

ミミ :かぼちゃのちょうちんを持って、みんなの家に行くと、お菓子をもらえるのよね。
楽しみだな。早く暗くな~れ!

長老が立ち去ったあと、3人組はそれぞれの仮装姿を自慢したり批評し合っていました。
その時です。怪しげな生臭い風に乗って、大きなコウモリが空から舞い降りて来ました。

魔物 :お~、元気そうな子供が3匹もおるわい。ヒッヒッヒッ、お前たちの魂を頂戴しに
    来たぞ。ワシから逃げようと思っても無駄じゃ。ワシに見つかったのが不運だった
    と思って諦めろ。
ミミ :キャ~、あんたは誰?もしかして、あの世から来た本物の魔物なの?

ポン吉:ミミ、早く僕の後ろに来るんだ。お前は誰だ?コッコッ、この顔が怖くないのか?

コン太:そうだ。そうだ。怖いだろ?

魔物 :う~ん、確かに気持ち悪いし、少し怖いが、ワシは何としてもお前たちの魂をあの
    世へ持ち帰りたいから、そのくらいの怖さは我慢するさ。逃げようとしても無駄
    じゃ。金縛りにしたから動けないだろ、ヒッヒッヒッ。

絶体絶命の大ピンチです。恐ろしい魔物の呪いで足は動かなくなり、逃げることができませ
ん。怯えて泣きそうなポン吉とコン太。そんな中、ミミは冷静でした。

ミミ :魂を取られる前に一つだけお願いがあります。それを叶えてくれたら、私たちの魂
    を差しあげます。

魔物 :願いとな?まあいいだろう。一つだけなら叶えてやろう。言ってみろ。

ミミ :私はまだ赤ちゃんを抱っこしたことがないの。一度でいいから、この腕で赤ちゃん
    を抱いてみたいの。できるかしら?
魔物 :ハッハッハ!そんなことか。任せておけ。腕を前に出して、赤ちゃんを抱く格好を
    しろ。ワシが赤ん坊になってやる。

と言うやいなや、大コウモリの体から煙が立ち昇り、その煙はミミの腕の中へ吸い込まれて
いきました。そして煙が消えた時、ミミの腕には小さなウサギの赤ちゃんがいました。

ミミ :ワァ~、カワイイ!ポン吉さん、大急ぎで私が持っている黒い袋を開けて!

ポン吉:分かった。ホラ、開けたよ。

ミミは袋の中にサッと赤ちゃんを入れると、しっかりと口を縛りグルグルと振り回しました。

魔物 :お~い、出してくれ~、揺らすな。怖いよ~、それに気持ち悪いよ~。
    助けてくれ~、約束する。言う事を何でも聞くから、早くここから出してくれ~。

ミミ :絶対に私たちの魂を取らないと、約束したら出してあげるわ。

魔物 :分かった。分かった。お前たちの魂は取らないよ。約束する。だから出してくれ。

ミミが袋の口を開けると、中から小さなコウモリが慌てた様子で飛び出し、あっという間に
遠くへ逃げて行きました。ミミの機転で3人組は絶体絶命のピンチを脱出できたのです。

コン太:ミミのお蔭で助かったよ。ありがとう。どうしてあんなことを思いついたの?

ミミ :ほら、長老が言ってたでしょ。魔物はどんな姿にでもなれるって。それを利用しよ
    うと思ったの。

ポン吉:そうだったのか、ミミは賢くて冷静なんだね。助かったよ。ところで、魔物がずい
    ぶん怖がっていたけど、その袋の中には何が入っているんだい?

ミミ :カラスの羽根がいっぱい入っているのよ。これをマントに付けたら怖そうに見え
    るんじゃないかと思って集めておいたの。あんなに怖がるとは思わなかったわ。

コン太:黒い袋の中で羽根に触られて、更にすごい勢いで揺らされたから怯えたんだね。

ポン吉:魔物は結構コワガリなんだね。ハロウィンで怖い仮装をする理由がわかったよ。

ミミ :ネェ、そろそろ長老の所へ、お菓子を貰いに行こうよ。どんなお菓子かな~?

どのような災難に合っても、過ぎてしまえば、いつまでもこだわったりしない。変わり身の
早さが3人組のいいところです。まるで何事も無かったように、手作りカボチャのちょうち
んを取りに、それぞれの家へ戻って行きました。

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