土用の丑の日

DSCN4252-001

 

照りつける太陽の熱に負けてしまいそうな夏。日本人の楽しみのひとつは「土用・丑の
日」にウナギの蒲焼を食べること。2014年は7月29日がその日に当たる。ウナギの蒲
焼を買いにスーパーマーケットへ出かけた夫婦が目にしたものは・・・

夫:さすがに今日はウナギの蒲焼がたくさん並んでいるぞ。
妻:どれにする?中国産それとも国産。長焼き?串焼き?
夫:やっぱり、国産で一本丸ごとの長焼きだろ。
妻:値段次第よ。アラ、500円程度の長焼きが置いてあるわ!中国産にしても安すぎ
   るわね。
夫:どれどれ。最近、老眼が進んで小さい字が読めないんだよ。読んでくれるかな?
妻:ちょっと待って。「お豆腐でできたヘルシー蒲焼・豆腐ちゃん蒲焼」って書いてある
   わ。お寺の精進料理で名高い「ウナギの蒲焼もどき」を商品にしたってことかしら。
夫:ウンウン、聞いたことがあるよ。海苔を皮に見立てるアレだろ?
妻:ついに「蒲焼もどき」が商品化されたのね。ウナギの稚魚が激減して、うなぎその
   ものの値段が高騰しているところに、消費税の8%が追い討ちをかけて、庶民に
   とっては高嶺の花になってしまったことを象徴しているような商品だわ。
夫:味はどうなんだろうね。
妻:ネエ、2,000円位の鹿児島産・長焼きウナギと、この「豆腐ちゃん蒲焼」を買って、
   食べ比べてみる?
夫:そうだね。それがいい。

食卓に並んだ2種類の蒲焼。タレはどちらも同じ蒲焼のタレをかけてあります。気になる
のは「豆腐ちゃん蒲焼」の味ですね。

夫:見た目はあんまり変わらないよ。
妻:そりゃそうよ、似せて作ってあるんだもの。問題は味。
夫:モグモグ。まあまあの食感だ。さっぱりしすぎだけど、タレが効いてるね。
  でも、海苔はやっぱりウナギの皮には化けられなかったよ。
  似ているのは色だけだ。
妻:まだまだ改良の余地アリという感じ。それにしても、蒲焼のタレはスグレモノだわ。
  このタレが「今、あなたはウナギを食べている。」と私に呪文をかけているみたい。
  「ウナギもどき」でも、このタレをかければウナギ風味になっちゃう。
夫:では、いよいよ本物のウナギをいただくことにするぞ。
   ウ~ン、やっぱり旨みに格段の差があるね。本物のウナギを食べることができた
   から、今年の夏も元気に乗り切れそうな気がするよ。
妻:年々、ウナギの値段が高くなるから、私たち庶民の口には入らなくなる日が近いか
   も。
夫:ウナギの稚魚・シラスウナギはマリアナ諸島あたりで誕生することが解って以来、
   乱獲が続いて一気に生息数が減ってしまったらしいね。
   稚魚がいないと養殖もできないから、少ない稚魚の値段はどんどんつり上がって、
   まさにウナギのぼりの状況だよ。
妻:ハハハ、ウマイうまい。座布団一枚ね。
夫:だけど、ニホンウナギが国際保護連盟(IUCN)のレッドリストに登録されたことで、
   天然のシラスウナギは益々捕獲しづらくなるんじゃないかな。
妻:何か良い手立ては見つからないものかしら。
夫:うん、希望はあるみたいだよ。これまでのように天然稚魚を飼育池で成魚までに育
   てる養殖とは異なる「完全養殖」だ。人工的に産卵・孵化させた稚魚を成魚まで育
   て、再び産卵・孵化させる方法だよ。これが軌道に乗れば、安定的にウナギを生産
   できるんだ。
   更に量産化することに成功すれば、日本人の夏の食文化に欠かせない蒲焼の未
   来は明るくなるはずだ。
妻:その研究は順調に進んでいるのかしら?
夫:そう簡単には行かないようだよ。天然シラスウナギを使っての養殖に比べて、かなり
   費用がかさむらしいし、人工的に生まれたシラスウナギの生存率も低いようだから
   ね。
妻:「完全養殖」に取り組んでいる人たちに「ガンバレ~!」って言いたいわ。
   話が「豆腐ちゃん蒲焼」に戻るんだけど、カロリーを気にしている人にとっては、うれ
   しい製品だと思ったの。正真正銘のうなぎの蒲焼はカロリー過多になるので、我慢
   しなくちゃならないけど「ウナギもどき」なら、日常の献立にだって安心して出せるで
   しょ。豆腐に加える材料を更に工夫して、もっとウナギの食感に近づけることができ
   たら、満足度も高くなるわ。タレと粉山椒である程度は蒲焼風になるんだから。
夫:カロリーか。
妻:一年に一度くらい、カロリーを気にしないでウナギを食べたっていいじゃない・・・
   とでも言いたそうね。
夫:ウン、その通り。僕の一番の心配は、来年の夏に「もどき」ではなく、本物のウナギ
   の蒲焼を食べさせてもらえるかどうかってことだね。

世界のウナギの7割が日本人の胃袋に収まっているそうですが、ウナギ資源の未来や
「ウナギの蒲焼もどき」についての会話が弾んだ、真夏の「土用・丑の日」でした。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。