「ナニコレ珍百景」投稿のてん末

2014-05-003

 

「水が張られた田んぼ風景を見たい!」と思い立ち、田舎道に向かった街なか育ちの

夫婦。途中で偶然に散策ルート案内の立て看板を見つけたので、そのルートを歩くこと

にしました。二人の希望通りの田園風景が広がる中、元気よく出発です。

夫:水が張られただけで、まだ苗が植えられていない田んぼは鏡のようだね。青空と雲

   がきれいに映り込んでいるよ。あ~、気持ちがいいな~。

妻:こういう景色を見ると、何故か懐かしく感じるのよね。おっと、ここからはあぜ道だか

   ら、足元もしっかり見ながら歩かなきゃいけないわよ。

夫:もうルートの3分の2ほど歩いたのかな。ここらあたりの水田は、そばを流れている

   川の水を引いているんだね。さっきの橋の名前は住民たちの豊作への願いが込

   められているようで、このあたりにピッタリだ。

妻:あら、あれは何かしら?高い所に、あぜ道を横断するパイプが通ってるわ。田んぼに

   何かを供給するみたいだけど、何なのかしら。分かる?

夫:水なら、あんな高いところから落とさないよね。あれでは滝つぼができて田んぼを痛

   めるよ。あの場所から肥料を落とすとなると、風がある日には周りに飛散するから、

   肥料でもないな。でも、パイプは鉄の支柱でしっかりと支えられているから、恒久的

   なものであることは間違いないよ。何だろう?アッ、そうだ!これ「ナニコレ珍百景」

   に投稿してみようか。おそらく、既に投稿されているとは思うけど、僕も投稿なるもの

   に初挑戦してみるよ。

帰宅した夫は早速パソコンに向かい、ナニコレ珍百景のホームページに現場の写真を

投稿しました。そして約一週間後、一本の電話が掛かってきたのです。

テレビ局:ナニコレ珍百景へのご投稿、ありがとうございました。早速ですが、現地でお

       会いしてお話を伺いたいのですが、よろしいでしょうか。

夫:取り上げていただいてありがとうございます。それでは現地でお待ちしています。

こうして翌日、テレビ局の方と現地で会うことになりました。あの景色を投稿した人は他

にいなかったようです。当日、やって来たテレビ局の人は運転手さんを含めて3名でし

た。現地を見た担当者は「なるほど、なるほど」と頷きながら、撮影カメラを車から取り出

しました。そして、アシスタントが対象物の持ち主に会い、撮影と放映の許可をもらって

来る間、私たちと撮影の打ち合わせが始まりました。

担当者:私が「お早うございます」と言ったら「お早うございます」と答えてください。

      そして、対象物を発見した時のことをお話ください。

夫:はい、わかりました。即、撮影とは思わなかったからビックリですよ。

妻:私が口を出しても大丈夫ですか?

担当者:もちろん歓迎です。ご協力よろしくお願いします。

こうして、投稿者夫婦の立ち位置が決まり、まさに撮影が始まろうとした時でした。

アシスタントが戻ってきて、「写すのは良いが、放映はダメだ」と言われたことを私たち

に伝えたのです。こうして、「ナニコレ珍百景」への挑戦は撮影準備の段階で、あえな

く撃沈してしまいました。

担当者:こういうことは、よくあるのです。今回は残念でしたが、またの投稿を期待してい

      ます。こうして私たちが撮影に来るのは、投稿数の80分の1ぐらいですよ。

      そして放映するに至るまでには、さらに候補は減っていくのです。

夫:放映されている珍百景は、かなり高いハードルを超えているのですね。今回のこと

   で、投稿するには、投稿者自身があらかじめ配慮すべき点がいくつかあることが

   わかりました。また挑戦したいと思います。

アシス:ちょっと耳にしたのですが、あのパイプは脱穀時に出るもみ殻を田んぼに送り

     込んで、土作りの肥料としているらしいですよ。正解かどうかはわかりません

     がね。

妻:ああ、そういうことかもしれませんね。私たちは農業の事を知らないので、これが何

   なのか解らず、ここ数日、おおいに盛り上がりましたから、十分満足ですよ。

   でも、テレビ局の皆さまには無駄足を踏ませてしまい、申し訳ありませんでした。

担当者:そのお心遣いは無用です。これが私たちの仕事ですから。これは番組の記念

      ボールペンです。どうぞ、お受け取り下さい。今回は投稿を、ありがとうござい

      ました。

こうして夫の手の平に数本の「ナニコレ珍百景」記念ボールペンを残して、テレビ局の車

は立ち去ったのです。思いがけない出来事で、再びこの場所に来ることができた夫婦

は、あのウォーキングルートをゆっくりと辿り始めました。

なぜゆっくり?ですか。だって、次なる投稿ネタを探すには、当然、あちらキョロキョロ、

こちらキョロキョロ・・・でしょ。

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