アカネズミのチュー太郎と雑木林の花たち

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ゴールデンウィーク前後は、カタクリなど早春の妖精たちに代わって、やわらかな新しい
葉をまとった樹木の下が大好きな花たちの出番。それぞれ独特な姿で咲き誇り、林を彩
っています。私の好きなこの雑木林には様々な生き物たちが住んでいますが、今日は
アカネズミのチュー太郎君に、旬の花たちを紹介してもらうことにしました。

チュー太郎:ここは僕のホームグラウンドだ。知りたいことを何でも聞いてくれ。
       エッ、花の紹介?じゃあ、案内してやるから、僕についておいで。
       今、いろんな花が咲いているから全部を紹介するのは手間がかかるし、
       面倒くさいな。そうだ!個性的な名前のものから紹介するよ。
       お~い、ドンスさんとギラく~ん。

キンラン:また、ドンスと呼んだわね。私の名前は「キンラン」よ。ドンスなんて呼ぶ
      のはあなただけだわ。私を紹介するのにネズミギャグはやめてちょうだい!

ギンラン:僕もギラじゃなくて、ギンランだ。♪金銀、キラギラ♪なんていつも歌っている
      から、間違えて覚えるんだよ

チュー太郎:へへへ、ゴメンな。最近、君たちは数が増えてきたようだね。いつも姿勢良
       く直立している君たちにとって、お好みの環境になっているということかな。
       おや、雨だ!アメドコロ君の所で雨宿りしよう。それじゃ~ね。バイバイ。

甘野老 :また、間違えたな。僕はアマドコロだよ。雨が降るたびに間違えるんだから
      困ったものだ。ヤブレガサ君じゃないけど、雨宿りに適した姿はしてないさ。
      でも、ナルコユリ君と間違えなかったから、許してやるとするか。

チュー太郎:サンキュ~。君は葉っぱと茎と花のバランスがとても素敵だよ。群生してい
       る姿もなかなかいいよね。あちこちで花さんたちの名前をふざけて言った
       ら、みんな、ちょっと怒り気味だな。そうだ、次はイカリソウにしよう。

イカリソウ:何という紹介の仕方をするんだ。僕は船の錨に似ているからイカリ草なんだ
       よ。けっして怒った顔をしているわけではないからね。

チュー太郎:ゴメンよ。ついつい冗談を続けてしまった。君は強壮・強精の薬草、薬酒と
       して利用されるようだね。人の役に立っているとは、お見逸れしました。
       おや、イチリンソウさんとエビネさんがあそこにいるよ。

一輪草 :変な紹介のされ方じゃなくてよかったわ。私は茎の先にひとつ花を咲かせるか
      らイチリンソウだけど、変わり者もたまにはいるのよ。これはニリンソウさ
      んやサンリンソウさんにも言えるんだけどね。なかなかの人気者なの。
      ど~お、私ってきれいでしょ。

チュー太郎:あぁ、きれいだよ。自己紹介してくれたから手間が省けたよ。次は優雅な
       名前のジュウニヒトエさんとオドリコソウさんで~す。

ジイニヒトエ:優雅と言っていただいて嬉しいわ。昔、宮廷女官が着ていた「十二単」
        に見立てた名前なの。日本固有種よ。外来種としてセイヨウジュウニ
        ヒトエさんがいるけど、あちらは濃い紫青色をしているから見分けら
        れると思うわ。

踊り子草:私は笠をかぶった踊り子達のような花を付けているでしょ。私も日本原産で、
      道端にたくさん咲いている小型のヒメオドリコソウは外来種よ。私は薄いピン
      ク色の花だけど、濃いピンクや白花もあるんですって。黄花のツルオドリコソ
      ウっていうのもあるみたいね。

チュー太郎:外来種が入ってくると、僕にも段々、見分けがつかなくなるかもしれないね。
       次は誰にしようかな。

ホウチャク草:オイ、僕を紹介してくれよ。二つ付いている花は地味だけど、白から緑
        へのグラデーションが美しいだろ。よく見てごらん。お寺の軒に吊り下げ
        られている宝鐸(ほうちゃく、ほうたく)に似ているんだってさ。

丁字草 :私のことも忘れないで。チョウジソウっていうの。淡い青紫の星型の花を咲か
      せる宿根草よ。絶滅危惧種に指定されている地域もあるから、大切にしてね。

チュー太郎:最後にマムシグサ君を紹介しておこう。よく似たウラシマソウ君より少し遅
       れて出てくるんだよね。

マムシグサ:物知りだな。僕はウラシマソウ君のような釣り竿は持っていないんだ。それ
       にしても、嫌われ者の名前を付けられて迷惑してるよ。成長期の茎の模様
       がマムシに似ているらしいけど、気に入らない名前だな。ひとつ教えておこ
       うかな?僕は雌雄異株なんだよ。

チュー太郎君、たくさんの花たちを紹介してくれてありがとう。最後に君のことを自己紹
介してくれないかな。

チュー太郎:僕は日本固有種のアカネズミ。ご覧のとおり、頭から胴体の長さは8~14
       cmと小さいけれど、行動範囲はとても広いんだ。食べ物は植物の種・茎・
       根、たまには昆虫も食べるよ。一番好きなのは木の実だね。トンネルを掘
       って巣を作っているんだけど、餌は巣の中だけじゃなくて、あちこちに分けて
       隠してあるんだよ。走り回っているから、この雑木林のことは誰よりも詳し
       いって訳なんだ。そうそう、夜行性だから人間たちにお目にかかることは
       ほとんどないね。今日は特別だ。それよりも、この雑木林にはフクロウが
       住んでいて、僕たちの天敵なんだよ。今年は3羽も子供が生まれたんだって
       さ。ついこの間、巣立ったらしいから、気を付けないといけないんだ。
       これ以上おしゃべりしていると見つかって食べられちゃうから、もう帰るね。
       さようなら。また、遊びにおいでよ。

チュー太郎君、今日はありがとう。生存競争の厳しい林の中で暮らすのは大変だろうけ
ど、元気に暮らすんだよ。また、いつか会いたいね。

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