滝つぼ怪物の高笑い

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動物村は味覚の秋。備蓄用のキノコやドングリを収穫するために選抜チームが編成さ

れました。列の一番うしろに3人組が緊張した面持ちで並んでいます。

班長 :みんな、背中のかごをしっかりと体にくくりつけたね。新人の3人組は先輩の

     指示をちゃんと聞いて行動するように。今日は滝のある山に向かうぞ。

     下見に行った仲間の報告では何か大きな影を見たらしい。人間がいるかもし

     れないから、音を立てないように慎重に作業を行なってください。

こうして、村の倉庫に保管する食料集めのチームが出発しました。それぞれ収穫する食

料の種類で班が編成されており、初参加の3人組はキノコ採りを担当します。

班長 :3人組、よく聞くんだ。先輩たちと絶対に、はぐれないようにすること、杉林

     には行かないこと。杉林にはナメコは生えないし、人間に会うかもしれない。

     まずはブナの倒木を見つけなさい。そこにはナメコが生えている確率が高い

     からね。

ミミ :分かりました。お父さんからもしっかり教わってきたから大丈夫です。

ポン吉:滝の近くで、いっぱい収穫できるとお母さんが言ってたよ。本当なの?

班長 :確かにその通りだが・・・

コン太:人間のことが心配なんでしょう?

班長 :偵察隊から緊急連絡がないので大丈夫だと思うが、近づかない方がいいな。

こうして選抜チームは山の中に入って行き、キノコ採りを始めました。3人組はブナ

の倒木を見つけようと山の斜面を慎重に登って行きました。

コン太:ブナの倒木を見つけたぞ。ナメコも見つけた。でも小さいな。

ポン吉:小さくてもこんなに早く見つかるとは幸先がいいね。大収穫の予感がするぞ。

ミミ :ここにも倒木があるけど、ナメコが無いわ。私は前途多難な予感がする。

3人組はブナの倒木を見つけては周囲を探しました。でもわずかしか見つかりません。

そこで3人組は大きな決断をしました。滝の近くに行くことにしたのです。

ミミ :先輩たちと別行動になるけど大丈夫かな?道はポン吉さんの匂い付けで心配無

     いけど収穫したら、すぐに戻りましょう。あっ、滝の音よ。近いわね。

     見て!大きなブナの倒木がある。ナメコがたくさん見つかるといいな。

ポン吉:見つけたぞ。でかい!これまでの最高だ。ここにもあった。これも大きいぞ。

コン太:この場所は本当にすごいね。僕も見つけたぞ。

     誰が一番多く見つけるか競争だ。

こうして夢中になった3人組は、いつの間にか滝つぼに出てしまいました。ナメコが半

分ほど入ったかごを肩から下ろし、3人組は近くの石を拾って滝つぼに向かい、石投げ

の競争を始めました。その時です、滝つぼの真ん中の水面が急に盛り上がり、水が左

右に広がったかと思うと、見たこともない巨大な生き物がザブリンと姿を現わしたのです。

ナマズ:滝つぼに石を投げたのは、お前たちか?

ミミ :きゃ~、怪物が出た~。

ナマズ:日暮れまでゆっくり寝ていようと思ったのに、起こしおってケシカラン奴らじゃ。

ミミ :ゴ、ゴ、ゴメンナサイ。あなたはどなたですか?

ナマズ:わしはナマズの王様で、この滝つぼの主じゃ。お前たちこそ、どこの者かな?

     初めて見る顔ぶれだが・・・

ポン吉:動物村の仲良し3人組だい。キノコ採りの途中で、ちょっと休憩してるんだよ。

コン太:なんだかオオサンショウウオに長いヒゲが付いているだけのように見えるぞ。

ナマズ:ワッハッハ!面白いことを言うのう。ワッハッハ!ワッハッハ!

ナマズの王様が高笑いを始めると、地面がユラユラと揺れ、3人組は慌てて地面に座り

込みました。高笑いが止むと、揺れも收まりました。

ナマズ:いや~、驚かせて悪かったのう。ここしばらく、この滝つぼに誰も来なかった

     ので寂しい思いをしておったのじゃ。ちょうど良い。話し相手になってくれ

     んかのう。

ミミ :もしかすると、下見の仲間が見た大きな影はあなただったのかもしれないわね。

ナマズ:そうか、ワシを見たものがおったのか。それは会えんで残念じゃった。ところで、

     オオサンショウウオにはどこで会ったのかな。滅多に会えないはずじゃが。

ポン吉:水の精が変身していたんだよ。僕たちは水の精と友達なんだぞ。

ナマズ:ホホ~、それでワシがお前たちの言葉を理解できる理由がわかった。

     実はワシも水の精なのじゃよ。ワッハッハ!ワッハッハ!

コン太:ワ~、笑うのはやめて~、地面が揺れて怖いよ~。

ナマズ:ゴメン、ゴメン。ワシが笑うと地面が揺れるのじゃ。許しておくれ。

ミミ :王様を笑わせないようにしないといけないわね。絶対に大笑いさせちゃダメよ。

こうして仲良し3人組はナマズの王様と仲良しになりました。動物村を流れる川での再

会を約束した3人組はナマズの王様からナメコがたくさん生えている場所を教えてもら

い、かごからあふれるほどのナメコを収穫して、意気揚々と村に帰って行きました。

でも、先輩たちから離れて滝つぼに行っている間、班長たちがとても心配していたこと

を知り、自分たちの軽率な行動を心から反省する3人組でした。

冒険も、ほどほどにしないといけませんね。

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