花の精の音楽隊

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 朝早く、仲良し3人組が背中にお弁当を背負って集まってきました。長老の家でフクロ

ウ博士から聞いた「花の精」に会いたくなり、これから裏山の花畑に向かうのです。

 

ポン吉:あ~、眠い。こんなに早起きをしたのは初めてだから眠くてしかたがないよ。

     だけど、花の精に会いたかったら、早朝の花畑に行かなきゃダメなんだよね。

ミミ :フクロウ博士はそうおっしゃったわ。でも、花の精って本当にいるのかな?

コン太:あのフクロウ博士の話だからウソじゃないと思うよ。

ミミ :そうかな?これまでお花畑には何度も行ったけど、花の精なんて見たことがな

     いわ。

ポン吉:そうだね。もし、本当にいるのなら、僕達にわからないはずはないと思うけどな。

コン太:花の精なんて思いもよらなかったから、気付かなかっただけかもしれないよ。

ミミ :ホラ、お花畑が見えてきたわ。急ぎましょうよ。

仲良し3人組は洞くつの向こう側にある花畑に着きました。色とりどりの花々が咲いてい

ましたが、花の精は見当たりません。3人組は朝食をとりながら、待つことにしました。

しばらくすると、軽快な音楽が聞こえて来たと同時に、甘い香りが漂い始めました。

 

ポン吉:あっ!あれは何だ?一列に並んで行進しているぞ。だんだん近づいてきた。

     甘い香りも強くなってきた。これが花の精じゃないか?フクロウ博士の言って

     た通りだよ。

ミミ :とても小さいけど、本当に人間の子供のような姿をしているわ。お洋服がとても

     可愛いし、小さな楽器を持っているのね。おもちゃみたいだわ。この甘い香り

     はどこから来るんだろう?

ポン吉:僕達のことには気付かないみたいだから、声をかけてみようよ。

      コンニチワ!君達は花の精ですか?

妖精A:あれ?あなた達には私達の姿が見えるの?どうせ見えないはずだと思ったから

    通り過ぎようとしたんだけど、見えているの?

    あぁ、分かった!フクロウ博士が言ってた仲良し3人組って君達のことね。

    ようこそ!会えて嬉しいわ。

ミミ :言葉が通じるのね。嬉しいな。少しお話を聞かせてもらってもいいかしら?

妖精B:もちろんいいよ。僕達の姿が見えたり、会話ができるのは、仲間以外ではフクロ

     ウ博士と君達だけかもしれないね。でもこの時刻に、ここへ来なかったら会え

     なかったんだよ。僕達がこうして行進するのは太陽が昇り始める頃だけだから

     ね。

コン太:どうして花の精さん達は早朝しか出て来ないの?

妖精C:それはね、花粉を運んでくれるハチさんを呼び寄せるためなんだよ。ハチさんが

     一番活発に働くのは早朝なんだ。だから、朝の早いうちに、音楽と甘い香りで

     たくさんのハチさんが来てくれるように誘っているのさ。

ミミ :花粉って何?運んでもらうといいことがあるの?

妖精B:花は咲いた場所で一生を過ごすんだ。君たちのように自分で動き回ることはでき

    ないんだよ。だから子孫を残すために花粉というものを作って、ハチさん達に運

    んでもらい、受粉のお手伝いをしてもらっているのさ。花の奥には甘い蜜がある

    んだよ。それは花粉を運んでくれるハチさん達へのお礼だね。

コン太:受粉ね~。そうか!花の精さん達は朝早く、楽器を鳴らしながら行進して、ハチ

     さん達に花のある場所を知らせているんだ。そして花もその音楽を聞くと甘い

     香りを一段と強く発散させて、ハチさん達を惹きつけているんだね。

妖精C:その通り、よくわかったね。ほら、ハチさん達が飛んできたぞ。そろそろ僕達の

    今日のお仕事はおしまいだ。帰る時間が近づいてきた。

ポン吉:どこへ帰るの?

妖精A:それだけは内緒なの。今日はハチさん達がたくさん集まってくれたし、あなた達

     にも会えたから、とても嬉しいわ。

ミミ :これまで会えなかったのは、朝早くここへ来なかったからだったのね。

妖精B:もうひとつ覚えていて欲しいことがあるよ。花の寿命は短いから、会える時期は

     限られているんだ。季節が巡ってくれば、必ずここに戻って来るから、その時

     なら早朝に会えるよ。

ポン吉:ネェ、君達のことを長老や動物村のみんなに話してもいいかな?

妖精C:長老のことは聞いているよ。彼なら、きっとわかってくれると思うけど、それ以外

     の住民には理解できないんじゃないのかな。

コン太:君達の話をしたら、動物村のみんながもっと花に関心を持って、踏み荒らしたり

     しないで、大切にすると思うんだけどな。

ミミ :私達だけでも、これからはお花をもっと大切にしましょうね。再会を楽しみにし

     ているわ。次に会うときは、お話をもっともっと聞かせてね。

妖精A:いいわよ。面白い話ならいっぱい知っているから、次に会った時に話すことにす

     るわね。じゃあ、さようなら。

 

花の精達は楽器を持ち直して一列に並び、ゆるやかなテンポの音楽を奏でながら遠ざ

かりました。それを見送る3人組の頬を爽やかな風がやさしく撫でて、吹き抜けて行きま

した。

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