紅葉の写真はインクジェット、又は写真屋さん?

ナスi-001

 

永 :美井さんは写真が趣味ですからよく印刷をされますよね。先日、那須で紅葉の

 
   写真をデジカメでいっぱい撮ってきたのですけど、お気に入りの写真を家にあ

   るインジェットプリンターで印刷するのが良いのか、写真屋さんで印刷するの

   が良いのか迷っています。アドバイスをお願いします。

美井:まず、両方の印刷システムの違いと保存性について説明します。次に出来上が

   り写真の品質とコストの話をしましょう。

永 :お願いします。インクジェットはインクを吹き付ける印刷方法で、写真屋さん

   の印刷は銀塩写真とか言うそうですがよくわかりません。是非教えてください。

美井:2種類の印刷方法は印刷のメカニズムが違うのです。写真屋さんの銀塩写真は

   白黒写真の時代から170年の歴史があります。この銀塩写真の特徴は、印画紙

   の仕組みにあるのです。簡単に言うとこの印画紙は光が当たると発色するように

   作られているのです。そしてあらゆる色に発色するため、全ての色を表現する

   ことができるのです。一言で言うと光の三原則での色作りです。そして印画紙の

   内部で薬品により発色させるので、色が空気にさらされません。このため保存性

   が良いのです。この薬品の名前が塩化銀で感光剤として働きます。銀塩写真の由

   来はここからきています。

永 :なるほど。銀塩写真は「印画紙の内部で発色する」のが原理で、「全ての色を発

   色できる」「保存性が良い」のが特徴なのですね。

美井:そうです。インクジェットはパソコンと共に普及した新しい印刷方式で、4色~

   6色のインクでプリントします。ですから、少ないインクの色で全ての色を表現

   するために、高度な技術が導入されています。具体的には噴射するインク量とイ

   ンクの密度を調整することで全色を表現します。インクがペーパーに噴霧される

   と時間をかけてペーパーの内部にインクが染み込み、そして乾燥して安定します。

   このため、インク面が空気に露出しているので保存性が劣るのです。

永 :なるほど。インクジェットは「インクの噴霧で発色させる」のが原理で、「少な

   い色の組み合わせで色を表現する」「インクが表面に露出しているから保存性は

   劣る」のが特徴なのですね。

美井:はい。では次に出来上がった写真の品質について話します。

   銀塩プリントは粒子ごとに発色しているので非常に滑らかに色のトーンが出てい

   ます。特に肌や花びらのような淡い色のトーンは非常に柔らかな色合いが出ます。

   赤ちゃんの肌、桜のような淡い色合いなどに向きます。

永 :光の三原則で発色させるから淡い色にも対応できるということですね。

美井:そうです。インクジェットでは少ない色数で表現しているので、拡大すると色の

   トーンがきれいに表現されていないのがわかります。でも、粒子が目立つ半面、

   色に切れがあるので、金属などのコントラストのあるものやビルなどの固い色調

   の被写体に向いています。また、赤のような高い彩度の鮮やかな色表現も得意で

   す。

永 :話を変えて済みませんが、普通紙、ファイン紙、マット紙そして光沢紙などで印刷

   後の写真の出来栄えが全く違いますが、この違いはなぜですか?

美井:一言で言うと、インクの乗りが良いか悪いかの違いです。すなわち染み込み方や

   拡散の仕方です。普通紙で印刷するとインクの乗りが悪いのでよい色が出ないの

   です。

永 :納得しました。それではもう一つ、インクジェットのインクには顔料系と染料系

   がありますがその違いを教えてください。

美井:乾かすとほとんど体積が無くなるのが染料系でサインペンや万年筆のインクが代

   表です。一方、かなりの部分が残るのが顔料系で墨やペンキが代表ですね。

   だから、保存に関しては顔料系はまだいいのですが、染料系の保存性は無いに等

   しいです。風にさらすと、何日もたたないうちに色が薄くなるのがわかります。

   特に太陽光(直射日光)には弱いです。

永 :話を戻して、コスト評価をお願いします。

美井:インクジェットのインクも随分安くなりました。ですからハガキサイズぐらいま

   ででしたら同じくらいのコストです。これ以上のサイズになりますとインクジェ

   ットの方が安くなります。

永 :美井さんはどんな基準で印刷しているのですか?

美井:写真コンテストに出すとか、部屋の壁に飾るような品質や保存性にこだわる場合

   は銀塩印刷です。長期保存に強いのが魅力です。

   A4版など大きいサイズを少数枚印刷するならコストの安いインクジェット印刷

   です。ハガキサイズ以下なら人に渡すものは写真屋さんの銀塩印刷、自分用の場

   合はインクジェット印刷をしています。

永 :ありがとうございました。私はお気に入りの紅葉の写真を2Lにして机に飾りたい

   と思っています。よい機会ですので、銀塩印刷とインクジェット印刷の両方で印

   刷して、今得た知識で評価してみたいと思います。

美井:印画紙購入のアドバイスをしておきましょう。実は日本で「紙」と「印画紙」を製

   造できる会社はほんの数社です。また、電気メーカーやカメラメーカーは「紙」を

   作れない。逆に用紙メーカーはプリンターやデジカメを作れない。これらを考慮し

   て、賢い選択で「高品質」を安く手に入れてください。

永 :ありがとうございました。

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