擬態かくれんぼ

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長老 :お~い!仲よし3人組。静かに歩いて、こっちにおいで。
    珍しい生き物がいるぞ。

ポン吉:どんな生き物なの?これまで見たことがないもの?

長老 :多分な。ほれ、そこにいるんじゃが、わかるかな?
    これは「ナナフシ」という昆虫で小枝に擬態しているんだ。

ミミ :どこ、どこ?擬態って何?あら、ただの小枝じゃない。
    キャ~、動いた!飛んだ!

コン太:ほんとに小枝にそっくりだったね。動かずに止まっていたらわからないよね。

長老 :擬態とは周りのものに身体を似せて、敵の目をあざむく手段なんじゃよ。
    小さな生き物たちは鳥やカエル、肉食の虫などにいつも命をねらわれているか
    らな。こうやって身を守っているんじゃよ。
    生きるためのモノマネと言えばわかりやすいかな?

ミミ :へ~、そうなの。擬態のことをもっと知りたいな。どんな方法があるの?

長老 :まずは、今見た「ナナフシ」とか「シャクトリムシ」のように小枝などに似せ
    て、自分を見つけにくくする方法。葉っぱになりすます生き物もいるぞ。
    次は周りにいる危険な虫などに化ける方法がある。「アブ」はハチによく似て
    いるだろう?
    さらに、嫌な臭いを出す虫に似せたり、敵に襲われそうになったら、鳥の目玉の
    ような模様が入った羽根を広げて見せたり、いかにも毒々しい色をして敵を脅か
    したりする方法もある。どうだ、おもしろいだろう。

ミミ :私たちにもできるかな?

長老 :さあ~、どうかな?わしが見つけるから擬態して隠れてごらん。
    「かくれんぼ」だと思うと楽しいぞ。

コン太:周りに似せて長老に見つからなければいいんだね。自信があるからやろうよ。

ポン吉:これまでのかくれんぼよりおもしろそうだ。何に変身しようかな。

ミミ :「擬態かくれんぼ」ね。私はお家に帰って使えるものを探してくる。

長老 :それでは太陽があの大きな木の上に来る頃、見つけに行くぞ。しっかり擬態し
    て、わしに見つからなかった者にはほうびをあげることにしよう。
    それでは始めよう。

ポン吉:僕は丸いものか太いものに変身すればいいんだよな。
    そうだ。森には樹皮がいっぱい落ちている。それを集めて身体に付ければ太い
    木に変身できる。枝も葉っぱも付ければ、絶対に見つからないぞ。

コン太:僕の身体は黄色いから、この色に似ているものに変身すれば擬態できるぞ。
    森の中に黄色いものはないかな?
    そうだ。黄色く色づいた大きなイチョウの木がある。あの葉を身体に付けて、
    イチョウの木につかまっていれば見つからないぞ。

ミミ :家から赤いスカートを持って来たから、首の周りにじょうずに巻き付ければきれ
    いなお花に変身よ。私の赤い目が花粉に見えるかもね。フッフッフ。

長老 :そろそろ時間じゃ。それではまず、ポン吉を探しに行こう。ポン吉は身体が丸
    くて大きいから小さいものには擬態できないな。森の中で大きいものは木じゃ。
    見たことがない形の木を見つけることにしよう。
    ハッハッハ。ポン吉、見つけたぞ。

ポン吉:こんなにうまく擬態したのに、どうして簡単にバレちゃったの?

長老 :簡単じゃよ。身体は上手に樹皮で隠したのだが、残念ながらシッポが出ている
    ぞ。わしが近づいたら緊張してシッポを持ちあげてしまったな。
    それにこんな丸い木はこれまで見たことがないからな。それですぐに分かった。

ポン吉:しまった。擬態って難しいね。

長老 :次はコン太だ。ポン吉もついておいで。コン太は化けるのがうまいはずだぞ。
    自分の身体の色に近いものに似せる方法が手っ取り早いのう。
    そうだ。あそこに黄色く色づいたイチョウの木がある。
    ハッハッハ、見つけた!コン太、見つけたぞ。

ポン吉:どこにポン太はいるの?僕にはわからないよ。

コン太:絶対に見つからない自信があったんだけど、どうしてわかったの?

長老 :簡単じゃよ。風が吹いただろう?そしたら木全体から葉が落ちてきたが、一ヶ所
    だけ葉が落ちない所があった。コン太は葉が落ちないようにしっかりと身体に
    くっつけたが、それが裏目に出たのじゃ。
    次はミミを探すぞ。二人とも一緒においで。

コン太:そこまでは気が付かなかった。自信があったのにな。さすがは長老だね。

長老 :ミミは可愛いものが好きじゃから、きっと花畑にいるじゃろう。
    あそこは擬態するには良い場所だからのう。
    おやおや、これだけいろいろな花があると見つけにくいな?
    じゃが、もう見つけたぞ。ミミ、見つけたぞ!ハッハッハ。

ポン吉:ねえ、どこにいるの?わからないよ。

ミミ :このお花畑で一番多い赤い花に変身して耳も出ないようにしてたのにどうして?

長老 :簡単じゃよ。ミミの花はこの花畑で一番大きくて目立つんだよ。大きすぎるよ。

ミミ :納得。見事に見つけられてしまって、残念だわ。

長老 :今日は擬態について勉強したな。生き物たちは長い年月をかけて進化して、今の
    身体を作ったんだよ。簡単に真似はできないということじゃ。
    もうひとつ、擬態は形だけではないのじゃ。

ミミ :形だけでも大変なのに、他に真似をするものがあるの?

長老 :それは動き方じゃ。周りの環境に合わせて動いているのじゃ。生き物たちは形と
    動き方の両面で工夫をしながら敵をあざむいて、身を守っているんじゃよ。

コン吉:身を守るために姿を変化させているのか。僕も見習う必要があるな。

ポン太:エッ、何を見習うの?

コン吉:身体は変えられないけど頭の中は変えられる。僕はこれから、もっと勉強する
    ぞ。

長老 :なるほど。なるほど。コン太は賢いの~。どれだけ変身できるか楽しみじゃ。

ポン太・ミミ:ムリムリ。絶対に続かない。
       それより「擬態かくれんぼ」の続きをしようよ。

コン吉:僕も入れて~。勉強は明日からにしよう~っと。

長老 :ハッハッハ、元気が一番じゃ。いい子たちじゃのう。

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